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    ゆきこ

    軌跡のロイド沼在中、支援課箱推し。ロイド君を中心に色々雑多に放り投げてます。正直地雷原のようなものだと思うので自衛をお願いいたします。
    Rとかこれはちょっと、という話はこそフォロ限定にしておりますがどうかご了承くださいませm(_ _)m

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    ゆきこ

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    幼少期ロイド君と警察学校を卒業したての兄貴の話。これを読んでから1個前の話を読むとますますつらい、かもしれない(汗)
    例によって色々捏造してるし妄想度合いが高めです。だって幼少期については想像、というか妄想で補うしかないからね! ということで、呼び方とかもちょっと変えてますので突っ込みはなしでお願いしますm(_ _)m

    #軌跡
    locus
    #ロイド・バニングス
    lloydBannings.
    #ガイ・バニングス
    guyBannings.

    「ねえ、おばちゃん。僕に、料理をおしえてください」

    たったひとりの肉親であるガイが警察学校の寮に入り、まだ十にも満たない子供をひとりだけにしておく訳にはいかないと(ロイド自身はひとりでもだいじょうぶ、ちゃんとお留守番できるからと主張した。だが物盗りが入ったら危ない、あるいはロイドは可愛いから人浚いが来るかもしれないと兄とレイテ、セシルに却下され、マイルズに諦めろと言われたのだ)ノイエス家でロイドを預かってからしばらく経った頃。真剣な顔でそう言い出したロイドに、レイテは少しだけ驚き、瞬きをしながらどうして? と尋ねる。

    「それは構わないけれど。……ねえ。ロイド君は、どうして料理を覚えたいの?」
    「えっとね、兄ちゃん、けーさつ学校でがんばってるんでしょ? だから、帰ってきたら、おいしいものを食べさせてあげたいなって思ったの」
    「まあっ! 偉いわ、ロイド君っ。お兄ちゃん思いの良い子ね~っ」
    「うわっ!? ちょっと、おばちゃんっ。苦しいし、はずかしいからはなして~っ」

    そして返ってきた答えに感激すると、ロイドをぎゅうっと抱きしめ、いい子いい子と頭をなでた。


    こうして料理の特訓は始まった。と言ってもロイドはお世話になっているからと積極的にお手伝いをする子供だったので、日頃レイテが料理をする所も見ており、また非常に飲み込みが早く、どんどん上達していって。ガイが警察学校を卒業する頃にはレパートリーこそそう多くはないものの、得意な料理に関してはセシルと比べてもひけを取らないほどの腕前となった。
    その間、ガイは度々ロイドに会いに帰って来てはいたのだが、上手になるまでナイショにしといて、と可愛らしいお願いをされてノイエス家の人々が断れるはずもなく。卒業式の後、ロイドが料理の練習をしている事など全く知らないままガイは家路についていた。

    「ロイドに会うのも久しぶりだな。また背が伸びたかな。反抗期が来てなけりゃ良いんだが」

    端から聞けば兄バカにしか聞こえない(というか事実兄バカである)ひとりごとを呟きながらベルハイムへと帰ってきたガイは、まずはロイドを預かってくれたおじさんやおばさんに礼を言うのが先だろうかとノイエス家のドアをノックする。すると顔を出したレイテは笑顔でお帰りなさい、卒業おめでとう、と祝福し。次いで顔を出したマイルズにも挨拶をすれば祝福されて、両親がもし生きていればこんな風に祝福してくれたのだろうか、と感傷に浸る。
    だが柄じゃないよな、と頭を振って気持ちを切り替えると、愛しの弟が待つ家のドアを、深呼吸をしてから開けた。

    「……あ。お帰りなさい、兄ちゃんっ」
    「おう、ただいま。留守の間、ちゃんといい子にしてたか?」

    ちゃんといい子にしてたもん! と頬を膨らませたロイドは、少し背が伸びてはいたものの以前と変わらず可愛くて。ぎゅっと抱きしめ、頭をなでてやれば、セシル姉ちゃんが見てるから、と言われ、そういえばノイエス家ではセシルに会わなかったと気づいたガイはロイドを離し、服を整える。
    そしてただいま、セシル、と声をかければ、優しい声でお帰りなさい、ガイさん、と返事が返って来て。
    そこでふと、良い匂いが漂っている事に気づいたガイは、テーブルの方へと目をやって驚いた。

    「ずいぶん豪勢だな。今日は誰かの誕生日だったか?」
    「あらやだ、ガイさんったら。今日はあなたの卒業祝いよ」
    「そ、そうなのか? これだけ準備するのは大変だっただろう。ありがとうな、セシル」

    テーブルの上に並んでいたのはガイの好きな物ばかり。これだけの種類を準備するのは大変だっただろうとセシルに礼を言ったガイだったが、これを用意したのは私じゃないわ、と言われて驚く。

    「お前じゃないって、それじゃレイテおばさんか?」
    「いいえ」
    「ええ? けど他に誰が……」

    セシルでもおばさんでもない。となるとおじさんか? いやだがおじさんが料理するところなんて見たことがないぞ?
    そんな事をぶつぶつと呟き、すっかり混乱した様子のガイを見かねたセシルはロイドを見る。だが恥ずかしいのか服の裾をつまみ、もじもじとしていて。この様子だと、自分からはなかなか言い出さないだろうと思ったセシルはロイドに近づくとガイの方へと押し出し、同時にこれを作ったのはロイド君よ、とネタばらしをした。

    「……え?」
    「わわっ。ちょっと、セシルお姉ちゃん!」
    「ごめんね? ロイド君。でもこのままじゃ埒が明かないと思ったの。……ね、ガイさん。ロイド君ね、学校で頑張ってるお兄ちゃんに、帰ってきたらおいしいものを食べさせたいって一生懸命お母さんに料理を教わってたのよ?」
    「そうだったのか!? 嬉しいぜ、ロイド。ありがとな」
    「う、うん。……ね、兄ちゃん。一緒にごはん、食べよ?」
    「ああ、そうだな。腹も減ってるし、可愛いお前の手料理をご馳走になろうか」
    「かわいいって言わないで! 僕は男なんだからっ」

    どうやら可愛いと言われるのは気に入らないようで、またしてもぷくっと頬を膨らませたロイドにセシルまでもが可愛いと呟いたのだが、幸いそれはロイドの耳に入る事はなく。
    どうにかロイドを宥めたところで、今日は兄弟水入らずでゆっくり過ごしてね、とセシルは自宅に帰り、向かい合って席に着いたふたりは、離れていた間の話に花を咲かせながら楽しく食卓を囲むのだった。
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    「ねえ、おばちゃん。僕に、料理をおしえてください」

    たったひとりの肉親であるガイが警察学校の寮に入り、まだ十にも満たない子供をひとりだけにしておく訳にはいかないと(ロイド自身はひとりでもだいじょうぶ、ちゃんとお留守番できるからと主張した。だが物盗りが入ったら危ない、あるいはロイドは可愛いから人浚いが来るかもしれないと兄とレイテ、セシルに却下され、マイルズに諦めろと言われたのだ)ノイエス家でロイドを預かってからしばらく経った頃。真剣な顔でそう言い出したロイドに、レイテは少しだけ驚き、瞬きをしながらどうして? と尋ねる。

    「それは構わないけれど。……ねえ。ロイド君は、どうして料理を覚えたいの?」
    「えっとね、兄ちゃん、けーさつ学校でがんばってるんでしょ? だから、帰ってきたら、おいしいものを食べさせてあげたいなって思ったの」
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