チェンクロの世界に飛ばされたロイドとリィン突然眩しい光に包まれたロイドとリィン。
目を開けたらそこには見たこともない景色が広がっていた。
別々の場所にいたはずの自分たちが何故一緒にいるのか。果たしてここはどこなのか。
戸惑いながら辺りを見回していれば、グルルルッと唸り声がする。
そちらを見ればやはり見たことのない魔獣がこちらに敵意を剥き出しにしていた。
「…ロイド」
「ああ。やるしかなさそうだな。ここがどこか、相手がどんなヤツかも分からないんだ、慎重に行くぞ?」
「ああ!」
そして互いに背を預けると、向かってきた魔獣と戦い始めた。
万象鏡が光り、またしても異変の現場に飛ばされた義勇軍のユーリ達。
そこでは、見たことのない人たちが敵を相手に戦いを繰り広げていた。
「大変だ!助太刀しなきゃ!」
「…いえ、必要なさそうですよ?ピリカ」
「へっ!?……うわあ、すごいや!あの二人、息もピッタリだし、とても強い!」
目の前の光景に息を飲む一行。
戦っている二人はピリカの言う通り互いに背を預けながら息を合わせて戦っている。
残りの敵も少なく、助けに入る必要はないとしばらく見守っていれば、最後の一匹を倒してそれぞれ得物を構えたままこちらへと近付いて来た彼らは、警戒しながら話しかけてきた。
「君たち、一体どこから来たんだ?急に気配が現れたから驚いたんだが」
「敵意はなさそうだけど、何者だ?それにここは一体どこなんだ?」
「あ~、オイラたちは義勇軍だよ。ここはユグドの…、多分副都の近くじゃないかな」
「ユグドに副都?…聞いた事がないな。君はどうだ?リィン」
「俺も聞いた事はない。…それに義勇軍、だったか?それも初めて聞くな」
「そっか。やっぱり異世界から来たんだね」
「異世界?」
「そう。ここは君たちがいたのとは違う世界だよ。…詳しい事はオイラたちにもわかんないけど、君たちは今この世界で起きている異変に巻き込まれて、元の場所からここに飛ばされてしまったんじゃないかな」
「これまでにも何度か別の世界から飛ばされて来た人たちがいましたからね。…申し遅れました、私はフィーナ。そちらの小さくて飛んでいるのがピリカ、そしてこちらの無口な方が隊長のユーリさんです」
「よろしく」
「ユーリにフィーナ、ピリカだな。俺はロイド、こっちが…」
「リィンだ。よろしくな」
「うん、よろしく!…リィンの声、何か聞き覚えがあるね?」
「ヘリオスさんの声と似ているからでしょう。それじゃ、ひとまず副都まで行きましょうか」
「そうだな。ここで立ち話も何だし、町があるならそこでゆっくり話した方が良いだろうな」
こうして一行は副都へと移動を始めたのだった。