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    ゆきこ

    軌跡のロイド沼在中、支援課箱推し。ロイド君を中心に色々雑多に放り投げてます。正直地雷原のようなものだと思うので自衛をお願いいたします。
    Rとかこれはちょっと、という話はこそフォロ限定にしておりますがどうかご了承くださいませm(_ _)m

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    ゆきこ

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    タイトルまんま、支援課がわちゃわちゃっとしてるいぬの日に因んだらくがき。前に上げたねこの日を踏まえた話だけど、ねこの日にキーアに押しきられて全員(課長やツァイト含む)でねこみみをつけた事だけ押さえておけば読めるはず。なお今回はノエルとワジは欠席です(^_^;)
    初期面子でわちゃわちゃしてるの、やっぱり好きだなあ。人数的にも動かしやすくて丁度良いんですよね。またそのうち何か書けたら良いな!

    #軌跡
    locus
    #特務支援課

    支援課でいぬの日の話 2022秋も深まってきた11月1日。
    この日も朝から忙しく支援要請をこなしていたロイドたちがビルへと戻ったのは、夕刻、もう日が沈んだ後の事だった。
    今日の夕食当番はロイドとティオだったが時間も気力もあまりなくて。少し寒いし簡単に鍋にでもしようかと話をしながら入り口の扉を潜れば、途端に4人の鼻孔を良い匂いがくすぐり。
    もしかして、と顔を見合わせた彼らがキッチンを覗けば、そこには予想通りエプロンをつけたキーアの姿があった。

    「おかえり、みんなっ! 疲れてるだろうし、今日はキーアがごはん、作ったよ?」
    「ただいま、キーア。助かるよ。帰りも遅くなっちゃったし、正直今日はあまり作る気力もなかったからな」

    にこにこと笑顔を浮かべるキーアとその頭をなでるロイドという何とも癒される光景に自然と全員が笑顔になり、その後和やかに夕食の時間は過ぎていったのだが。
    コーヒーや紅茶、そしてお菓子を用意して、食後の団らん(とロイドは報告書の作成)となったところで、パタパタと上に上がっていったキーアが持って下りてきたものに、既視感を感じた一同は頬をひきつらせた。
    あれは確か、2月も終わり。朝からやけに機嫌が良かったキーアが、時間こそ少し早くて夕食前だったものの、同じように箱を持って下りてきて。今日はねこの日だと言いながらねこ耳のついたカチューシャを差し出してきたのだ。
    そこでロイドはふと気がつく。今日は11月1日。1が3つ、つまりワンワンワンだと。そしてこの場から逃げようと椅子からそっと腰を浮かせたが、時既に遅く。
    満面の笑みを浮かべたキーアはじゃーん、と言いながら持ってきた大きな(だが軽そうな)箱からいぬ耳がついたカチューシャを取り出すと、スチャッと自身に装着し。予想通りの言葉を放った。

    「今日はね、ワンワンワンでいぬの日なんだって。だからみんなも一緒にこれ、つけようよ!」
    「ああ、やっぱり……」
    「キ、キーアちゃん……」
    「確か2月にも似たような事がありましたね。あの時はニャーニャーニャーでねこの日でしたか」
    「冷静に言ってる場合か? ティオすけ。俺は絶対にイヤだぞ!」
    「ランディ、つけてくれないの?」

    その言葉への反応はそれぞれだったが、明確にイヤだと言ったのはただひとり。
    焦りゆえだろうか。思わず口から本音がこぼれたランディに、それまで笑顔だったキーアの表情は曇り、少し潤んだ瞳でランディを見つめる。
    そうなってしまっては勝てるはずもなく。がっくりと項垂れたランディがそいつを寄越せとカチューシャを要求すれば、一転キーアは再び笑顔になり、はい、とランディに黒い耳のついたカチューシャを渡し。
    キーアには勝てないよな、とため息をついたロイドと、二十歳を過ぎたのにこれはやっぱりちょっと恥ずかしのだけど、と頬を染めたエリィもそれぞれ耳つきのカチューシャを受け取って、残るはティオだけとなり。
    開き直り、死なば諸とも、とキーアの援護射撃をするランディと、それを呆れたように眺めるロイドとエリィという図が完成する。

    「あの、キーア。私は既にこれを着けているので、それは着けなくても良いのではないかと」
    「ティオは着けてくれないの? みんなでお揃いがいいんだけどな」
    「くっ。でも、キーア」
    「往生際が悪いぞ、ティオすけ。ねこの日みてえに逃げられると思ったら大間違いだからな?」
    「あの日ティオちゃんだけうまく逃げたこと、実は少し根に持ってたのね。ランディったら」
    「……ふう。成人男性にこれは似合わないだろ」
    「いや、ロイドは似合ってるだろ? そのちょっと困った表情とか、犬っぽいし」
    「同感です。ですが私はどちらかというと猫っぽいと思うので、やはりそれは――」
    「え~? ……どうしても、ダメ?」
    「うぐっ……」
    「ランディ、ティオちゃんも。……でも、そうね。私も似合ってると思うわ、ロイド」
    「え、ちょ、エリィまで? 嘘だろ……」

    そしていぬ耳はちょっと、となおも悪あがきをするティオの横で、ため息をつきながら呟いた言葉に反論され、全員から(キーアは言葉には出さないが大きく首を振っていた)それが似合うと言われてしまったロイドは机に突っ伏してしまい。その後結局キーアに負けて、渋々といぬ耳カチューシャを着けたティオとふたりして、満面の笑みを浮かべるキーアと苦笑するエリィとランディに見守られながら少し拗ねたような顔をして黙々と作業をこなし。夕食後、タバコを吸いに出ていたセルゲイは、その光景を一目見るなり忘れもんだ、とすぐさまくるりと踵を返して出ていったため、今回は難を逃れたのだった。


    「あ、課長。……上手く逃げたな」
    「ええ、そうね。さすが、としか言い様がないわね」
    「ずるいです」
    「お前らは似合ってるからまだ良いだろうが」
    「え~? ランディも似合ってるよ? ……今日はノエルもワジもいないし、ほんとはみんなでお揃いにしたかったのに、残念だなぁ」
    「きっとまた機会はあるわ、キーアちゃん」
    「あ、ばか、お嬢!」
    「それってつまり、俺たちもまた着けるって事になるんだけど……」
    「エリィさん……」
    「あ、あら。……仕方ないじゃない。キーアちゃんが落ち込んでるんだものっ」
    「俺たちも人のことは言えないけど……」
    「キー坊にゃどうしても甘くなっちまうよな」
    「キーアは世界一可愛いので、仕方ないですね」

    『今回は何も言われずに済みそうだな。犬と似ていて良かったと思ったのは初めてだ……』
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    この日も朝から忙しく支援要請をこなしていたロイドたちがビルへと戻ったのは、夕刻、もう日が沈んだ後の事だった。
    今日の夕食当番はロイドとティオだったが時間も気力もあまりなくて。少し寒いし簡単に鍋にでもしようかと話をしながら入り口の扉を潜れば、途端に4人の鼻孔を良い匂いがくすぐり。
    もしかして、と顔を見合わせた彼らがキッチンを覗けば、そこには予想通りエプロンをつけたキーアの姿があった。

    「おかえり、みんなっ! 疲れてるだろうし、今日はキーアがごはん、作ったよ?」
    「ただいま、キーア。助かるよ。帰りも遅くなっちゃったし、正直今日はあまり作る気力もなかったからな」

    にこにこと笑顔を浮かべるキーアとその頭をなでるロイドという何とも癒される光景に自然と全員が笑顔になり、その後和やかに夕食の時間は過ぎていったのだが。
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    ゆきこ

    DOODLEエアスケブ2本目は初書きロイエリ(というか支援課+ロイエリ?)です。リクを見ててパッとネタが浮かんだので書いてみましたがどんなもんでしょう(汗)
    そもそも日頃ほとんど男女カプを書かないので、果たしてこれで良いのか? 大丈夫なのか? と今プルプルしてますが、せっかく書いたので上げてしまいます!
    ふたりの服装はHSのあれのような感じ(ただしエリィさんはもう少し露出は控えめ)かなと思います。
    わざわざ休みを合わせ、ロイドに買い物につき合ってもらう約束をし。今日はデートだと実家のクローゼットから可愛いワンピースを引っ張り出して、いつもより気合いを入れてメイクをしたエリィだったが、待ち合わせ場所に現れたロイドを見て思わずため息をつく。

    「はあ……」
    「え、エリィ? ため息なんかついて、どうしたんだ?」
    「……ねえ、ロイド。私ね、今日はデートだからと思って、頑張ってお洒落してきたの」
    「え? あ、ああ、とても綺麗だ」
    「ふふ、ありがとう。……なのに貴方の格好はいつもとあまり変わらないじゃない? もう少しお洒落して欲しかったなって、ちょっと思ってしまったの」
    「ぐ。……すまない、エリィ」
    「まあいいわ。貴方がそういう事に疎いのは良く知っているから。なら、そうね……」
    2620

    ゆきこ

    TRAINING支援課とセシル姉で、支援課に来たセシル姉に1日振り回されるロイド君というお題をいただいて書いたもの。セシル姉は結構難しくて、あの天然ほわほわ具合とか上手く表現出来ませんでした(泣)。振り回され具合とか色々物足りないなあと思うけど、これ以上思いつかなかったので今回はここまでという事にさせてください!
    今回ロイド君の口調はあえて零に寄せてます。セシル姉の前だと弟君が強く出るんじゃないかなと思ったので。
    「ねえ、ロイド。次のお休みの日に、支援課にお邪魔しても構わないかしら?」

    ロイドにとって姉のような存在であるセシルがそんな事を言い出したのは、支援要請を受けてロイド達がウルスラ病院に顔を出した時の事だった。近頃はアルモリカ村の療養所にいる事の方が多いのだが、この日はたまたま病院にいたらしい。
    彼女の突飛な言動にある程度慣れているメンバーだが、予想もしていなかった言葉にさすがに驚き、どうしてか、と尋ねれば、意外と(というと失礼だが)まともな答えが返ってきた。

    「だって貴方たち、ずいぶん忙しいんでしょう?だから、みんなのお仕事の様子をちょっと確認したいと思って」
    「いや、大丈夫だから、セシル姉…」
    「過労で倒れてしまったら元も子もないわ、ロイド」
    2769

    ゆきこ

    DOODLE支援課で、キーアの誕生日のお話です。そして家族の話でもあるかな。仲良し支援課家族、大好き!
    キーアの本当の誕生日ってもう知りようがないと思うので、ならやっぱりこの日しかないだろうと書いてみました。相変わらずの会話文な上キーアちゃんの台詞って難しくて(あの漢字とひらがなのバランスが)偽物感あるかもしれませんが、読んだ方に少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです!
    キーアと誕生日今後のためと一時支援課が解散し。そして新しいメンバーを迎えて再始動してすぐの頃。
    日曜学校から帰ってきたキーアはどこか元気がなく、しょんぼりとしていて、お帰り、と言いながら手を広げ、いつものように突進してくるのを待ち構えていたロイドは目を瞬かせた。

    「どうしたんだ? キーア。なんだか元気がないみたいだけど」
    「ロイド。……ねえ、ロイドにも、エリィやティオやランディにも、みんなおたんじょうびがあるんだよね?」
    「あ、ああ、そうだな?」
    「きょうね、おたんじょうびだから、おうちでお祝いしてもらうんだってうれしそうにしてる子がいたの。けど、キーアのおたんじょうびはだれも知らないでしょ? だから、だれにも祝ってもらえないのかなあって」
    1836

    ゆきこ

    DOODLEエアスケブ4本目。くだらない事で喧嘩するロイドとランディと、仲裁しようと頑張るノエルとそれを見守るその他の面々の話。時期は碧の全員揃った後まだ比較的平和な頃でしょうか。
    リクは男性陣ということでしたがワジ君はこういう喧嘩には混ざりそうになかったので、結局喧嘩してるのはふたりだけになりました。
    短時間で書いたので色々荒いですが、読んだ方に少しでも楽しんでいただければ嬉しいです!
    くだらない事で喧嘩するロイドとランディの話支援要請の数も比較的少なく、またようやく全員揃ったメンバーにとって手配魔獣など敵ではなく。
    夕方、比較的早い時間に仕事が終わった後、それぞれくつろいでいたところで突如響き渡った大声に、エリィは驚いて一階へと下りた。
    するとキッチンの入り口では既に騒ぎを聞きつけて下りて来ていたらしいティオが中を覗いていて、その後ろからエリィも覗き込んだところ見えたのは、ロイドとランディが睨み合い、その間でノエルがおろおろとしている光景だった。

    「ねえ、ティオちゃん」
    「何でしょう、エリィさん」
    「今日の夕食当番って、確かロイドとノエルさんだったはずよね?」
    「ええ、そうです」
    「なら、どうしてこんな事になっているのかしら?」
    「それについては僕が説明してあげるよ」
    2017

    ゆきこ

    DOODLE支援課でハロウィンネタ。とはいえあの世界にハロウィンがあるのかは謎なので収穫祭を兼ねた仮装パーティーという事にしました。まあ最後にキーアがトリックorトリートって言ってますけど。彼女にこれを教えた人は一体どこから聞いたんでしょうね。
    ロイド君がくすぐったがりというのは捏造です。そうだと可愛いかなと。そしてゲスト出演の方々はこういう場が好きそうで現れそうな人という私の偏見と独断に基づいております。
    「仮装パーティーの手伝い、ですか?」

    マクダエル議長からの直々の要請という事で彼の執務室へと出向けば、その口からは意外な言葉が飛び出した。そのため、パチパチと瞬きをしながらロイドが聞き返せば、そうだ、と頷かれる。
    ここ数年は色々あり、そういった催し物どころではなかったのだが、再独立を果たし、クロスベル内に限れば、の話ではあるが情勢も幾分落ち着いているため、久々に賑やかな事をしたい。そこで思い付いたのが、収穫祭を兼ねた仮装パーティーという事らしい。
    そして特務支援課には、当日の場内での警備兼手伝いを頼みたいという事で、断る理由もないため二つ返事で引き受ける。
    となると次の話題は当然何の仮装をしようかという事だ。
    2830

    ゆきこ

    DOODLE支援課初期メンバーでツインテールの日らしいのでそういう話。最終的にはツインテールじゃなくなってますが(汗)
    この後、どこに行くかにもよりますが相手によって大笑いされたり可愛いって言われたりからかわれたりして散々な一日になると思います(それでも外さないし、もし魔獣の攻撃で外れでもしたらおこになる)
    その日、朝食の後片付けを済ませたロイドはミーティングルームで、目の前に広がる光景に目を瞬かせた。

    「どうしたんだ? みんな揃って髪を二つ結びにして」
    「ツインテール、ですよ、ロイドさん」
    「キーアちゃんがお揃いにしたいって言って結んでくれたのだけど。しなれない髪型は少し恥ずかしいわね」
    「いや、ふたりともよく似合ってる。とっても可愛いよ」

    ロイドの口から無自覚に放たれる言葉にはあ、とふたりはため息をつく。それに、何かおかしな事を言っただろうか、と首を傾げた後、少し言いにくそうにランディの方を向いたロイドは、疑問をぶつける。

    「……その、どうしてランディまでその髪型なんだ?」
    「んなの、俺の方が聞きてーよ」

    そう、女性陣だけでなく、なぜかランディまで髪をくくられ、更に可愛らしいリボンまでつけられていて。納得いかないのかぶすっとした表情で答えたランディがキーアに目を向けると、あっけらかんとした答えが帰ってきた。
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