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    mujintou_yama

    @mujintou_yama

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    おはぎ

    DONE夏五版ワンドロワンライのお題をお借りしたものでした~!主観色、とても素敵なお題で色々書きたくなりますね!

    お題:第80回「恋する/主観色」
    彩度と輝度――恋をすると、世界が薔薇色に見えるものなのよ

     昔見た映画のワンシーンだっただろうか、柔らかいブロンドの髪を揺らしながらヒロインが口にしたその台詞をその時は良く分かっていなかった。恋は盲目とか、痘痕あばたえくぼとか、恋をすると冷静な判断が出来なくなって、周りが見えなくなって、まるでこれまでの自分では無くなってしまったように振り回されるものなのだと思っていた。そんな風になってしまうなら恋なんてしなきゃいいのに、そんな状態になるまでハマらないようにすればいいのに、なんて冷めた目で見ていた。

     昔から映画を見るのは好きだった。映画の中の人物には汚い呪力がまとわりついていることもないから表情をしっかり読み取ることができ、没入している間は自分も普通の世界を見ている気分になった。別にをもって生まれたことを悔やんだことは一度も無いし、普通になりたいなんて思ったことも一度もない。ただ、興味はあったのだ。普通の眼を通してみた世界はどのようなものなのか。
    3016

    rinrizerosyura

    DONEGEGO DIG. AUTUMN 開催おめでとうございます。展示用の新作長編です。
    祓ったれ本舗の夏油傑と、祓ったれ本舗であるはずの五条悟、二人の舞台(世界)と過去の縛り。
    夏油目線でお送りします。

    夏五Forever……
    ☆作品の感想等は、スペースの書き込みボードか、当方のTwitterにあるwaveboxからお送り頂けますと嬉しいです(о´∀`о)
    あの照明(光り)を覚えているか「……、さとる」

     隣に佇む相方の肩を叩く。サングラスに隠された、日本人とは思えない蒼の瞳が瞬きもなく会場を見つめていた。

    「さとる、悟。行こう、呼ばれてるよ」
    「……すぐる、俺たち……」
    「そうだよ」

     たくさんの紙吹雪が舞い、歓声が響く。金色のテープも床や私たちの頭の上にまで引っかかってて、悟の頭のそれを取ってあげた。

    「私たち、優勝したんだよ!」

     念願だった。芸人としてデビューしてから今日まで長かったような、あっという間だったような。十年以上寄り添ってきた相方兼親友はまだ現実を飲み込めていないのか、一言と発さない。私は彼の手を引いて舞台の中央まで向かった。
     私たちが優勝したのは、若手芸人の登竜門とも言われ、全国で生放送されているお笑いグランプリだった。ずっとこれを目標に生きてきたのだ、嬉しくない訳が無かった。
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