Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    ekri_relay

    @ekri_relay

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 41

    ekri_relay

    ☆quiet follow

    ハロウィンまでにエク霊をくっつけるリレー小説「ハロウィンとか相談所」

    ハロウィンとか相談所(3)ハロウィンとか相談所(3)
    書いた人 ブミ

    「いえ!ハロウィン?!市長、我が霊とか相談所にお越しいただいたのは、そう、正しい判断です」

    と、いう知らない人間には簡単に信頼を、霊幻をよく知る者が見れば胡散臭さに拍車が掛かったいささか芝居掛かった満面の笑みを浮かべている。
    また始まったか、と市長の頭でくつろぐエクボはうんざりした様子を見せているが当の霊幻はお構いなしに言葉を続けていく。

    「調味市公認ハロウィン監修。ぜひこの私、霊幻新隆に一任頂けないでしょうか。もちろん、霊やオバケ関連の専門家として監修はお任せください!この日本でも今や10月10日のハロウィンと言えば、今や日本の新しい祭りごととして定着しています。そこでハロウィンの楽しさや意義を改めて調味市民や訪れる観光客に広く知っていただく事は調味市の更なる発展につながり、このイベントの成功は市長にとっても有意義なものとなります!」
    「あの、今年のハロウィンは10月31日の日曜日…」
    「おほん!そうでした!これは通常の日程よりも早めに設定されるビフォーハロウィンのお話でした!」

     冷や汗を浮かべながら何とか話題を切り替えようとする霊幻に、エクボは腹を抱えて笑いそうになる。10月10日は霊幻の誕生日だ。自分の誕生日とハロウィンをごっちゃにする辺り、やはり霊幻はハロウィンというものをまともに分ってはいない。
    それでいて専門家とドヤ顔で語るあたり、さすがは詐欺師だ。
    しかしそんな詭弁を信じたのか市長が盛大に頷き、ヘドバンをかます為エクボが滑り落ちる。

    「さすがは霊幻先生!ありがとうございます!これでもう成功は間違いありません!我が調味市の新たな観光財源となるべくイベントを盛り上げ、参加者に楽しんでもらえるようお願いいたします!もちろん先生には監修と言う事で、1からイベントを采配してほしいという事ではございません。イベントの最後に行われます仮装パレード、こちらの仮装コンテストの特別審査員としてイベントを監修していただきたく存じます」
    「仮装…コンテスト?」
    「そうです。単なるコスプレイベントではなく、霊幻先生の監修と共に特別審査員としてご参加いただきたく」
    「特別、審査員」

     仕事には意欲的だが、TVなどに出る事は当然ながら霊幻にはトラウマがある。特別審査員という言葉の重みからか、今度は表情が曇るのをエクボは見逃さなかった。

    「最優秀者を霊幻先生にお決めいただきたいと思うのですが、いかがでしょう?チラシやポスターには『霊とか相談所監修』という名前と霊幻先生のお名前を出させていただきますが」

     市の公認イベントに名前が出る、というのはこのうさん臭い商売をしている霊幻にとっていわば『公的な』お墨付きになったという事だ。トラウマと今後の仕事を天秤に掛けて、霊幻が出した答えは。

    「も、もちろんです!この霊幻新隆にお任せください!」

     その言葉にヘドバンをしなから霊幻の手を握り、ブンブン振り回し市長は何度も礼を言う。こうして『霊とか相談所』が何と調味市公認イベントの監修、そして霊幻が仮装コンテストの特別審査員になるというとんでもない企画が始まる事になった。
     しかし、床に落ちたままのエクボも、そして当の霊幻も。
    ハロウィンというものを単なる仮装行列としか認識していなかった。全くもってハロウィンなどというものを理解していなかったのである。
    そしてこれが後に二人を予想もしない方向に向かわせるなど、誰が分るだろうか。
    まさに悪霊さえ、知らぬが仏であった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    👏🙏👏🙏🎃✨🌳❤🍋👏🙏💴💯👏👏👏
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works