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    ekri_relay

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    書いた人→まみや

    ハロウィンとか相談所(25)「思い出したってなぁ…本当の記憶か!?」
     いうと同寺にエクボは霊幻へ拳を振り下ろした。
    「!?」
     その拳が霊幻の背後を打ち抜く。霊力は出せないが、暴力は使える。人体の能力を引き出す力を使わずとも、吉岡の肉体は十分に戦闘力を備えていた。
     エクボの拳は何もない空間に振り下ろされたのでは無かった。二人しかいなかったはずのこの空間にいつの間にかもう一人。
    「エクボ!?」
     振り返った霊幻の目に写ったのはエクボと同じ顔をした宣教師(エクソシスト)の男だった。
     それだけではない。白い壁はまるでスクリーンのようにいくつもの人影を映し出す。赤いマントを羽織って王冠を頭に載せた男、獣の耳を生やした男、他にも…その全ての顔がエクボだった。
    「「「お前こそ思い出せ…俺様たちの悲願を…」」」
     全てのエクボが同時に二人に襲いかかった。
    「やべぇ!逃げろ、霊幻!」
    「どこに!?ドアが開かないんだよ!」
     エクソシストの放った蹴りから霊幻を庇うように、エクボは腕を立てて防御する。隙の出来た腹に女王のブーツがめり込んだ。
    「ぐふ…っ…!」
    「エクボ!」
     続けて拳を放とうとする女王の顎を霊幻は咄嗟に蹴り上げる。今度は霊幻がエクボを庇うように前に立ち塞がった。
    「俺は空手通信教育緑帯だぞ…っ!来い!」
     やってやるぞ!と構えた霊幻の視界を赤いマントが宙を舞って塞ぐ。マントの上から攻撃しようとした腕をエクボは間一髪で掴み、後ろに捻り上げた。
    「くそ…っ!ラチが開かねぇ…!」
     二人で互いを背に庇いながらも活路が見出せない。退路が無い上に多勢に無勢だった。
     その時。
     部屋の白い壁が再び発光し、中からいくつもの人影が現れた。
    「「「「エクボ、止めろ」」」
     それは皆、霊幻の顔をしていた。
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