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    ekri_relay

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    書いた人→ひづき

    ハロウィンとか相談所(26)「おい、霊幻!しっかりしろ!!」
     強く揺さぶられて霊幻は目を覚ます。
    「ったく、いきなり得体の知れない物を飲むやつがあるか」
    「え……俺……」
     霊幻は混乱する。風景は先程まで居た場所と変わらない。元のスペースを無視した白に囲まれた空間。しかし、先程まで存在していた筈の大量のエクボも、そのエクボと対になるような風貌の大量の霊幻も姿を消していた。
    「夢?」
     起こされたという事は、そういう事なのだろう。それにしては、今回も詳細にその内容を覚えている。壁に貼られた手紙の内容。描かれていた吉岡。そして、エクボ達が言った「俺様たちの悲願」という言葉……
    「ったく、瓶の中身を飲まなきゃ出られない部屋だからってお前さん無茶し過ぎだろ。お前さんに何かあった時に怒られるのは俺様なんだぞ」
    「エクボ、さっき一緒に宣教師服の吉岡さんの絵、見たよな」
    「は?」
     エクボの反応に、やはり夢であった事を再認識させられる霊幻。しかし、霊幻は思う。霊幻には、霊力こそ無いが優れた直感を持っている。このお陰で、零能力者にも関わらず今まで大きな怪我をして来なかったと言っても過言では無い。その「直感」が告げている。今まで夢だと思っていた出来事は、地続きになっていない過去の自分の身に確かに起こった出来事なのだと。そして、その事が今調味市で起っている『魔法陣出現事件』と深く関係しているのだ。
    「俺、なんか言ってなかったか」
    「……空手通信教育緑帯」
    「よりによってソコかよっ!!」
     夢の中の複数の俺に何か共通点があった筈だ。霊幻は必死に考える。世界も立場も、特に似通った箇所は無かったように思う。でも、絶対に何かある筈なのだ。
    「で。なんか体に異常は無いのか」
     エクボの一言が、思考の海から霊幻を浮上させる。なんだかんだ言って、自分を気にかけてくれるエクボに心臓が跳ねる。
    「ダイジョブダイジョブ!」
    「なんか、顔が赤くねぇか」
     不思議なもので、他人からそう指摘されると、なんだか体が火照っている気持ちになってくる。腕を取られて思わず「ヒャッ」と声がでる霊幻。
    「脈も速ぇな」
    「確かに……なんか苦しいかもしれない」
     意識すると、呼吸も普段より早くなっている事に気付く。頭がボンヤリとする。そして、腰が異様に重い。なんというか、下半身にメッチャ血液が溜まってく感じがするのだ。
    (おいおい、これっていわゆる……)
     霊幻は飲み干した瓶の中身に驚愕する。
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