俺の護衛。「今日からこの小隊に配属となりました、『グラーブ・ガス』であります!」
ビシッと格好良く敬礼をした若い軍人は、見た目から名前までギュネイにそっくりだった。見た目に関しては寧ろ瓜二つなのではないかと思うくらいに。
「…アムロ・レイだ、よろしく頼む」
軽く敬礼したあと手を差し出すと、グラーブはその手を握り返してくれた。が、その手をグッと引っ張られて、グラーブの胸に体を預けてしまう。
「お前、無防備すぎやしないか?」
「殺意はなかったからね。それに、可愛い部下に無防備な姿を晒してはいけないかい?」
「誘ってんのか」
「まさか……。今日入ってきたばかりの子を誘うほど、夜の相手には困っていないからね」
「……何処までが本気だ」
「さっきから質問ばかりだね」
「…配属されたばかりですので」
「積極的な子は嫌いじゃないよ」
「ありがとうございます」
グラーブは名残惜しそうにアムロの体を離すと、もう一度敬礼をして、自分はこの後用事があるので、と言って去っていった。
「…さて。ギュネイ、いつまでそこにいるつもりかな?」
「…………………誰だよアイツ」
壁裏に隠れてぜーんぶ見ていたであろうギュネイの、むす〜っとした顔だけひょっこり出てくる。
「グラーブ・ガスというらしいよ。姿も声も名前もギュネイにそっくりだね」
生き別れたお兄さんとかだったら面白かったのにと言って、ギュネイに近づいて頭を撫でる。
「勝手に設定作って楽しむなよ」
「ふふっ、心配しなくても、俺の護衛はお前だけだよ」
「当たり前だ」
ほんとうにかわいい俺の護衛。