微睡む夢に現の君少し眠ろう、そう思ってリビングのソファに横たわった。バルコニーから差す日が心地よく、意識は緩やかに落ちていく。
「アレク?……寝てるのか」
大翔が仕事から帰ってくると珍しくアレクがリビングのソファで昼寝をしていた。余程深く寝入っているのだろう、規則正しい寝息が聞こえる。大翔は興味が湧きそうっと足を運ぶ。2m近い体躯がソファに窮屈そうに丸まっていた。普段ならばここまで近くに寄ると目を覚ましてしまうが、今日は起きそうもなかった。
(睫毛なげー……本当に外人なんだよなぁ……)
大翔はまじまじとアレクの顔を見詰める。決して薄いとはいえない彫りの深さに、彫刻のような美しさを感じる。いつもは眉間に皺がより、少し険しい顔になっているが、今はその険もとれ柔らかい表情になっている。大翔は何か上に掛けるものでもと思い立ち上がろうとする。
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