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    たかはら

    文字書きます。大体進捗置き場。

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    たかはら

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    進捗その3。あまりにも進まないので自分への尻叩きに。

    #魔道祖師
    GrandmasterOfDemonicCultivation
    #忘羨
    WangXian

    魏嬰が小さくなる話「含光君、魏先輩に何が……まさか先日の……」
    「恐らくは」
     藍思追は皆まで言わずとも合点が行ったようだった。藍忘機が女性になった際、彼と藍景儀もその姿を目にしている。ちなみに藍景儀はと言えば、未だ玉砂利の上に蹲ったままだ。
     刹那、一陣の風が吹いた。藍忘機の抹額が羨羨の目の前で翻る。ひらひらと舞うそれを幼子が掴もうとするのは当然だった。伸ばされた小さな手が抹額に触れた途端、はらりと解けてしまう。
    「らんじゃんのひらひら!」
    「含光君、抹額が……」
    「構わない」
     羨羨は長い抹額を気に入ったようで、ぎゅっと握り締めて放そうとしない。藍思追は慌てて周囲を見回すが、幸いと言うべきか他に人影はなかった。
     いくら羨羨は魏無羨とは言え、他の子弟に見られでもしたらいらぬ混乱を招く。驚きのあまりに倒れる者が出てもおかしくなかった。
    「では暫くは魏先輩はこのままなのですね」
    「時が経てば戻るだろうが、いつかは分からない」
    「分かりました。何かお手伝い出来ることがありましたらお申し付けください」
     藍忘機は無言で頷くと、羨羨を連れて歩き出そうとする。
    「どちらへ?」
    「叔父上のところへ」
    「あの、含光君。それならば、抹額は直された方が良いのでは?」
     ようやく立ち直った藍景儀が遠慮がちに尋ねる。多く子弟が羨羨を見た以上、藍啓仁が知るのも時間の問題だ。しかも先日の一件は既に藍啓仁の耳に入っている。子弟の口から聞くよりは、と言うことだろうか。
     ただでさえ魏無羨を見て卒倒してしまう彼だ。抹額を幼子に持たせたまま姿を見せればどうなるか、火を見るよりも明らかだった。
     自分が持つ白い紐が抹額という物だと気付いたのだろう。羨羨は奪われると思ったのか、胸元に引き寄せて激しく首を横に振る。
    「やー!ひらひらしぇんしぇんの!」
    「気に入った?」
    「あい!」
     ふわりと、藍忘機が微笑んだ。どんな花でさえ霞んでしまう程に麗しく柔らかな笑みだった。羨羨の髪を撫でるその姿は慈しみに溢れており、仲の良い親子のようにも見える。
     あまりに輝かしい光景に、藍思追も藍景儀も言葉を発することが出来なかった。
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    sgm

    DONE猫の日の曦澄。
    ひょんなことからイマジナリー(霊力)猫耳と尻尾が生えて猫になった江澄。
    何かとご都合。
    他作リアクションありがとうございます!!
    「魏公子。これは、一体……?」
     藍曦臣は目の前のことが信じられず思わず隣に立つ魏無羨に訊ねた。
    「見ての通りです」
    「見ての、通り」
    「ですね。見ての通り、江澄の奴、猫になりました」
    「……猫」
    「猫、ですね」
     笑いを含んだ魏無羨の言葉に藍曦臣は改めて日の当たる場所で丸くなっている江澄を眺めた。薄っすらと透けた黒い三角の獣の耳が頭に。やはり薄っすらと透けた黒く細長い尻尾が尾てい骨の当たりから生えている。猫と言われれば確かに猫だ。
     藍曦臣はさらなる説明を魏無羨に求めた。

     昨日から藍忘機が雲深不知処に不在だからと蓮花塢に行っていた魏無羨から急ぎの伝令符が来たのが、卯の刻の正刻あたりだった。
     藍曦臣は起きていたが魏無羨がその時間に起きていることなど珍しく、受け取ったときは驚いた。よほどのことが蓮花塢であったのだろうと慌てて急務の仕事を片付け、蓮花塢に到着したのが午の刻になったばかりの頃。案内をされるままにまっすぐに江澄の私室に向かい、開けなれた扉を開けた藍曦臣の目に飛び込んできたのは魏無羨の赤い髪紐にじゃれて猫のように遊ぶ江澄の姿だった。
    3340

    sgm

    DONE酔って陽気になって「渙渙」って呼ばれたい兄上(馬鹿力)
    Qにはいつだって夢が詰まってる。
     誰だ。この人に酒を飲ませたのは。
     ……俺だな。
     今まさに自分の身に降りかかっている惨状に溜め息を吐いて、江澄は手にある酒杯を煽った。いっそ自分も酒精に理性を奪われてしまっていれば楽になれただろうに、真後ろに酔っ払いがいる状態では、酔うに酔えない。むしろ酔いもさめた。
     卓の上に散乱した酒壷と元は酒杯だったものの残骸を見つめて眉間にしわを寄せた。途端、後ろから伸びて来た指が、ぐりぐりと眉間の皺を伸ばそうと押してくる。
     痛い。この馬鹿力め。
     怒鳴る気すら失せて、煩わし気に手を払うと、くすくすと楽し気な笑い声が聞こえてくる。
    「おい、藍渙。そろそろ放してくれ」
     椅子に座り、膝の上に自分を乗せて後ろから抱きかかえている藍曦臣に無駄だと分かりながらも声をかけた。顎でも乗せたのか、ずっしりと肩が重くなる。
    「なぜだい? こんなに楽しいのに」
    「そうか。あなたは楽しいか。それはよかった。だが、放しても楽しいと思うぞ」
     俺は楽しくない、という言葉は辛うじて飲み込んだ。
     藍曦臣は酒精を飛ばして水のようにして飲むことができる、と魏無羨から聞いていたため、藍曦臣が珍しく茶ではなく、江澄の酒壷 3901

    西 門

    MAIKINGポイピク小説機能試し投稿。支部にあげてる忘羨よりも先に人生で初めて書いた忘羨がこれでした。長くなりそうだったので途中で止まってます。序盤も序盤な中途半端なところまでしか書けてません。いつか完成させたい。
    転生要素あり現パロ忘羨(未完)  ──またか。
     藍忘機は目の前の光景に途方に暮れたような溜息を吐いた。またこの夢か、と。
     十五を迎えたあたりからだっただろうか。頻繁に同じ夢を見るようになったのは。
     はじめは音のない世界だった。月も星もない、暗いばかりの夜空のような天井が広がる空間、そこにひとりの男の背が見える。長身だが、痩身の輪郭。黒と赤の道服のような衣を纏い、腰まで届きそうな黒髪を頭の高い位置でひとつに束ね、漆黒の横笛を口許に構えている。しかし、その笛の音は藍忘機の元までは届かない。
     藍忘機はいつも彼の背中を見つめていることしかできなかった。足は根でも生えたかのように地面と一体化し、腕は重りでも吊るしたかのようにぴくりとも動かない。声さえあげることもできず、ただ瞬きを繰り返し、網膜に焼き付けるかのごとく黒い背中をひたすらじっと見つめる。藍忘機に許された動きはそれだけだった。
    4450