子猫の続き狗巻先輩が猫になってから2週間ほど経っただろうか。
相変わらず猫のまま授業を受けたり、ふらりと散歩に出かけたりと、彼は猫生活を満喫していた。
その間の俺はといえば、我ながら呆れるほど献身的に、自由奔放な子猫のお世話を続けていた。
最近では狗巻先輩は毎晩俺の部屋で寝ることが当たり前になっていて、任務で帰宅が遅くなった日には、人の姿で俺の布団に入っている事すらあった。
そんなある日、俺は夜の食堂で先輩たちと、依頼者からの差し入れだという専門店のアイスクリームを片手に他愛もない話をしていた。
狗巻先輩はパトロール中なのか、姿を現さない。
あの人の好きなパチパチするキャンディの入ったチョコミントのフレーバーをひとつ、傍に避けて確保しておいた。
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