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    緑肌トロール

    3Lカプ厨の成れ果てのバケモン

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    緑肌トロール

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    アンドレアルフスとステラ話その2途中までです。賞味期限が近いので上げました。続きは多分公式に焼き払われる事でしょう

    採卵鳥「ずっとここには居られないよ、お前はいつかお嫁に行くんだ。もうすぐ相手が正式に決まる。それからお前が18になり成人を迎えたら、その相手の城で暮らすんだよ」

     その言葉を兄から聞いた時、私は泣いて嫌がった。今までで一番嫌がって、城の財宝も一番壊した。私を押さえようとする兄の氷を砕いたのもその時が一番だった。いつも、そうすれば優しい兄は許してくれた。

    「それがお前の運命だ、受け入れる他ない」

     兄はただひとつ、それだけは決して許してくれなかった。



     兄の胸に飾られたロゼットを見ていた。リボンで飾られた丸い部分には、アンドレアルフスのシジルが描かれている。名の通り薔薇のようなその飾りが、特別に思えて羨ましかった。
    「気になるかい?ステラ」
     おいでと兄が手招くので、私は側に駆け寄る。今日はゴエティアの社交界で、その1羽である兄は印章を身につける事を義務付けられていた。兄は今日のドレスをよく似合っていると頭を撫でてくれた。兄の冷たい手が好きだ。私を膝に乗せてくれるので、胸のロゼットに触れた。
    「いいな、わたくしのはないの?ステラもこれがほしいわ!」
    「シジルは貴族の中でも特に強力なものにしか与えられない。小さなお前の分があるわけが無いだろう?」
    「わたくしのものが欲しいの!!」
     膝の上でジタバタする。兄を困らせるのも、正直楽しくて大好きだ。怒らせすぎると氷漬けにされてしまうけど。やれやれと兄は私を掴んで溜息を吐いた。
    「私と同じものなら、お前は私の妹だし構わないだろう。それでいいか?」
    「ええ!リボンはピンク色がいいわ!!」
    「はいはい」
     使用人の赤いやつに声をかけると、すぐに私が欲しかったロゼットが用意された。しゃがんだ兄が、私の首にそれを付けてくれる。最後に魔法で光ったと思うと、アンドレアルフスのシジルが刻まれている。特別な私のロゼットだ。
    「ありがとうお兄さま、だいすき!」
     兄を抱きしめて膝から飛び降り、鏡の前に立った。ピンクと白で彩られた私だけのものだ。しかも印章はお兄さまとお揃い、嬉しくて駆け出した。今日は社交界で友達にも会えるし、なんていい日なんだろう。くるりと回るとドレスの中にふわりと空気が入って楽しい。だけど振り返った時、大きな何かにぶつかって腰をついた。ちょっと何よ!と怒って見上げる。目の前に現れた悪魔の悪魔は、いつも見かけるチビの赤いやつや犬より随分と大きい。身体の濃い青い羽は光沢を持っていて鮮やかで、裾の下に広がる尾の飾り羽はドレスの様に華やかだ。目の前の悪魔に白い羽は一つもなかった。悪魔の冷たい目線が私を刺した。こんな目でしか、このクソは私を見ない。
    「前を向いて歩く事もろくにできないのか?」
    「申し訳ありません、お父様」
    「なぜお前がアンドレアルフスのシジルを付けている?外せ」
     絶っ対にイヤだ、するものか。父はいつも私にとても意地悪だ。私の方を一つも見やしないし、見たとしても睨み付けて、こんな事を言うばかり。沢山の仕事をしていて、忙しいからイライラしてるのか分からないけれど、私に当たらないで欲しいわ。私は私を大事にしない奴も、私を好きにならない奴も大嫌い。私を嫌ってる奴を、好きになってやるなんてこと絶対にしたくないわ。今日は楽しい日なのに、どうしてこの悪魔、今日に限って城にいるの?本当に最悪。だけど、ここはお父様のお城、お父様に逆らう事を消してしてはいけないといつもお兄様に言われていた。何も言わずに睨み付けていると、後ろから兄が来た。私の名前を呼んで、父を見て顔を見が青ざめた。
    「お帰りなさいませ、お父様」
     言いながら、父から私を庇う様に間に入った、兄は私にあちらに行っておいでと耳打ちする。
    「なぜ雛鳥がお前のシジルを付けているアンドレアルフス。お前のシジルは私の子であると言う証でもある」

     この雛は私の子ではない。この雛鳥にそれは相応しくない。

     私は父との血の繋がりが無かった。兄とも半分しか血が繋がっていない。

     言葉を背にして走った。首元のロゼットを撫でる、私のものだ。私がお前の子供でなくても、私は確かにアンドレアルフスの妹だ。血がどうであろうが、私が兄にとって特別なら関係ない。それだけあればいい。だけど、兄は父に従順だ。どう答えるのか、聞きたくなかった。

     兄はいつも私を馬鹿だと言う。だけどことあるごとに、それを聞かされているのだから、自分がなんのために生まれてきたのかぐらい知っている。

     私はたまごを産む為に生まれてきた。強い悪魔を産むその為だけに。父との血の繋がりがないのは、父がその為だけの雛鳥を作ることを面倒がったから。母に別の男をあてがって、母は私が孵ってすぐに出て行った。いずれ私もこの城から離れて、別の男の元で暮らさなきゃいけない。何もかも本当にイヤ、特にそれを変えれない事が一番嫌だ。
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