ヒョウガ
病院の近くの墓場に居座るミイラ男。
アルビノ故に迫害を受け、その果てに殺されるが、この辺りを根城にしているシンファンという悪魔の手で蘇らされた。シンファンの手により防腐処理もバッチリ。
それからはたまにシンファンに呼ばれて”掃除”に出かけたりしているが、その時の記憶は曖昧。本人も何だか怖いので考えるのを避けている。
それ以外の時間は基本的に墓場でボーっとしているが、時折墓場にやってくる人ならざる者たちと交流することもある。人見知り故に心を開く存在は多くないが、その少ない存在に対しては子供のように素直に懐く。一番のお気に入りはリネン。

ザイカ
町に人間として潜伏する人狼。普段は人間の姿をしているが、満月の夜とハロウィンの夜には人狼としての姿を現す。強い。
元々は森の小屋の入り口に捨てられていた孤児で、そこに住む魔女と吸血鬼の夫婦に育てられた。現在は自立して家を出ているが、しょっちゅう里帰りしてお菓子を食べながらパボメスと（一方的に）戯れている。
人懐っこい性格なので種族問わず色々なものと仲良し。本人は魅朕を気に入っており、彼女の気配を感じるとそちらへものすごいスピードで走っていき遊んで！とせがむ。振り払われてもめげない。犬と言うと怒る。

魅朕
町の診療所に勤めるナース。
昔は普通の人間だったが、事故で死にかけていたところを今の勤務先の院長の手で救われ、改造人間として蘇る。そのため人間でありながら死神とやり合えるぐらい強い。
自分を救ってくれた院長に絶対の忠誠を誓っており、院長の悲願であるすべての命を救うという使命を愚直にこなす。怪我人や病人がいれば必死に手当てを手伝うし、彼らの魂を狙ってやってくる死神が現れれば鬼の形相で迎撃する。ヒョウガのことは自分と似たような存在と認識している。犬が苦手なのでザイカのことも嫌いと言って憚らないが、周りから見るとどう見てもツンデレ。

リネン
町周辺を縄張りとしている死神。日々今にも死のうとしている魂の側に現れ、その魂を刈り取って冥府へ引き渡している。
死は万物に等しく訪れる救済であるという、死神としてはごく普遍的な考えを持つ。そのため、町の診療所とそこを束ねる院長のことを良く思っておらず、そこに運ばれる人々を少しでも多く救おうと病院周辺を飛び回ることが多い。そのことで魅朕から目の敵にされており、毎回撃墜されては適当に隙をついて逃げている。
人間にとっては恐ろしい存在だが本人は至って穏やかで心優しい。刈り取った魂のことも終始丁重に扱うので魂たちからは好かれるが、振り回されることもしょっちゅう。

パボメス
森の小屋に住み、魔女の手下として働く黒猫。
元々はシンファンとの争いに敗れて姿を変えられた大悪魔の一体。それからはしばらく彼の下で愛でられていたが、ある日家出し彷徨っていたところをライラに餌付けされ、以降は彼女の下で世話になっている。主に代金の徴収や、支払いを踏み倒す者への制裁を担当している。やり方は悪魔らしくえげつない。
元大悪魔らしく尊大に振る舞うが、見た目がカワイイ黒猫なせいで見る人からはほぼ子ども扱い。特にザイカからは文字通り猫かわいがりされてるのが不満。シンファンのことは未だに憎くて怖くて嫌いなので、比較的奴の出没率が高い墓場には近寄らない。

ライラ
森の小屋に住む魔女。吸血鬼の夫と仕事の助手の黒猫と暮らしている。かつては家の前に捨てられていた人狼の赤ん坊を拾って育てたこともあった。かなり昔から森にいるがいつから存在しているのかは定かではない。元は人間だったらしい。
夫が血を吸った後に残った人間の死体を加工し、色々な薬品や雑貨を作って町の人間に売り歩いている。死体であれば髪の毛一本、歯の一つたりとも無駄にすることなくすべて使う。お代は人間界の金銭の他、お菓子での支払いも受け付けている。パボメスのことも子供からもらった飴で手懐けた。
やっていることはおぞましいが、本人は上品で楚々としたご婦人。接客も問題なくこなし、町の人々からの信頼も篤い。よく同じ空を飛び回っているリネンと話す。

セオ
ライラの夫で吸血鬼。
一族の由緒正しい生まれだが、人を殺さなければ生きていけない自身の在り方に悩み、最終的には死のうと思って森を彷徨っていたところでライラと出会い、彼女から人間が肉を食うのと同じように、吸血鬼が血を吸わなければならないのは仕方ないことなのだから、命への感謝を常に忘れなければいいのだと教えられ立ち直った。今では彼女と結婚し、長い時を共に過ごしている。
ライラと比べて無愛想だが、真面目で優しい人物。妻の仕事もよく手伝っている。本業は絵描き。食事に関しては森に迷い込んできた人や、診療所から失敗作として横流しされた人を大事に頂いている。

シンファン
町を根城にする強大な悪魔。様々な姿を持ち時には人間の姿を取ることもあるが、基本的には赤い鬼のような姿がお気に入り。
大昔にこの土地の人間と契約を交わし、町をあらゆる外敵から守るのと引き換えにこの場所に大量の人外を呼び寄せ、今の人間と異種族が共存する町を作り上げた。はるか昔に外からやってきた悪魔らしく、この土地に元からいた大悪魔を倒して支配者の地位に就いたらしい。ヒョウガを動く死体にしたのも外敵を排除するため。お気に入り。
気さくな性格でどんな種族にも分け隔てなく接するが、どこか掴みどころのない感じなので恐れられることも多い。何を目的にこの町を治めているのか謎。