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    Mii_nana3

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    Mii_nana3

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    「わたしの神様」関連

    彼が僕の前から姿を消してから10年が経った。
    流石にこの空気だって慣れてきた。
    彼が1人いなくたって世界は変わることなんてない。
    いつも通りの日常が浪費されていく。

    いつも通り歩く。
    いつも通り息を吸う。
    いつも通り、完璧なまでに。


    明日のご飯はどうしようか。
    明日までの課題が終わってないや。
    最近お腹の調子が良くないままだったな。
    そういやバイト先のアイツが僕の陰口を言っていたっけ。
    今日父親の機嫌が悪かったな、家着いたら酒の後片付けをしなきゃな。

    このままで生きていけるかな。
    これでいいのかな。

    いつからこんなに現実が転がっていたっけ。
    下を向いてばかり歩いているからか。
    前を向いていれば知らんうちに蹴っ飛ばしているんだろうな。

    いつからこんな風になってしまったんだろうか。
    視界に常に霧がかかっているみたいだ。

    あれ、どうやって歩いてきたんだっけ。

    昔は光があったんだ。あったはずなんだ。
    だから今までこうして生きてこられたんだ。

    ならその光はどこだ。
    そもそも光ってなんだったんだ。

    ああ、そうか。
    忘れていた。
    いや、忘れたことにしていたんだ。

    彼だった。
    僕の世界を唯一照らしていた月明かりはあの後ろ姿だったんだ。

    少しだけこちらを向いて微笑んでいた彼の姿が、もう霞んで見える。今思えばその笑顔も現実のものだったか分からない。全て虚像だったのかもしれない。

    それでもよかった。
    彼という人間を、存在を、概念を知ることが出来たことに意味がある。


    そうだ、そうだったんだ。

    彼が世界の全てだったんだ。

    彼だけが僕の世界だったんだ。






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