何もない。全てがどうでもいい。何をしても楽しくない。虚しい。こんな人生をあと何年過ごさなければならないのか。緩やかな絶望感だけが広がる。
私を蝕むこの蟠りが反抗期のような思春期特有のものであればどれ程良かったか。皆と何も変わらない普通の色恋で終わってくれたならどれ程良かったか。
傍から見ると私の出来事などその程度なのだろう。
実際、胸の蟠りを言葉にした本はあまりにも空っぽで、何もなかった。
何も得ていなかった。
それでも私はずっとありもしない「神様」に縋っていた。神様がいたから生きていられた。神様がいたから私が存在している。神様が居てくれたのなら後はどうだっていい。それはただの逃避であり、言い訳でしかない。
それでも神様は私に酸素をくれる。思い出の中でしか生きていないから、神様は何も言わない。理想のまま。都合が良いまま。救いを求められる。あの時生きていけたように、神様は私に酸素をくれる。彼への思いは色恋なんて澄んだものではなく、依存だけが残った。
一方的に救いを求める宗教になってしまった。
今でも彼は何処かで生きている。会うことができたのなら私の人生はまた色づくのだろうか。答えは明確であった。私が依存しているのは学生服を着たあの頃の彼であり、今の彼ではない。もう何もかもが遅い。
黒と白のセーラー服を着ていたあの頃に、同じ空間に居た同級生。
今では永遠に学ランを着たままの私の神様。