溶ける瞳、解く手勝手に入った家の中。入り口から家主を探し奥へと進んでいくと徐々に威圧感が強くなっていった。
「酷くカリカリしてんなぁ簓くんは」
その威圧感の発生源は飲む気がなさそうなマグカップを片手にソファーに座っていた。
小刻みに揺れる足。時折体を掻きむしる指先。
何故昨日普通の顔をして生放送に出ることができたのか分からない程酷い有様だ。
「分かってんねやったら早く帰れ」
普段とは違い随分と乱暴な口調に思わずため息が漏れる。ここまで自分を取り繕えなくなっているというのにまだ一人でどうにかできると思っているのか。
「薬は」
「あんなん効かんわ。副作用だけ出てゲロと一緒に吐き出して終わり」
思い出したのか喉の辺りを気持ち悪そうに触りもともと酷かった眉間の皺を更に濃くした。
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