それが特別な日じゃなくても「ねぇねぇゆみちー、バレンタインチョコ作ろうよ」
「えっ?僕がですか?僕なんかより女性死神協会の皆さんで作った方が上手にできると思いますけど…」
「みんな忙しくてダメだってさ、だからゆみちーが一緒に作るの!ねっ、良いでしょ!」
二月十四日…弓親は副隊長のやちるにせがまれ共にバレンタインチョコを作る羽目になった。やちるの指示の下、作られ完成したチョコは恐ろしいもので、握り飯大のチョコに大量の金平糖を詰めたとんでもなく硬い物体と化していた。それは凶器以外の何物でもなく、無理矢理口に詰め込まれた隊士たちの歯は、欠ける、折れる、最悪の場合は跡形もなく粉砕するという地獄絵図を巻き起こした。唯一無事だったのは、チョコを一緒に作り配るまで手伝ったお陰で食べずに済んだ弓親と、それをものともせずにゴリゴリと噛み砕いて食べた隊長の更木剣八だけだった。
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