テディベアにお願い「なんでホワイトデーにテディベア?」
ホワイトデー用のグッズ撮影ということで渡されたのは可愛らしいテディベアだった。
「普通はクッキーとかキャンディとかですよね。」
辻も不思議そうにしている。
「『テディベアは自分の分身』らしいですよ。」
端末で検索した隠岐が教えてくれた。
「なるほど。ファンのところへは行けないからテディベアを代わりにしてねってことか。」
すでに影浦は撮影を始めている。スタッフが盛り上げようと声をかけているが、たぶん笑顔を向けてはもらえないだろう。
「お疲れ様でしたー!」
「お疲れ様です。」
防衛任務より疲れる仕事を終えて、控室で着替える。
「あれ、辻ちゃんこの子連れて来ちゃったの?」
犬飼が椅子の上に行儀良くおすわりしているテディベアを見つけて聞いた。
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