午後のルシ伊 昼を過ぎて、少し教室内が暖かくなったように感じる。そろり、と辺りを見回せば、ベルフェはもちろん、レヴィやマモンもこっくりこっくりと船を漕いでいた。そういう自分も、一定の調子で聴こえる教師の声に誘われて夢とうつつの境を先程から何度も行き来している。
くぁ、とあくびがひとつこぼれた。真面目に受けよう、と努力はしているもののどうしたって退屈なのである。真面目で完璧な彼はきっと真剣に受講しているのだろうな…とちらりと様子をうかがう。彼が座っている席は斜め少し前のブロック。自分の席から盗み見るのにはピッタリなのだ。彼-ルシファーは頬杖をついて静かに目を閉じている。窓際に座っているのもあって、外の景色も含めまるで一枚の絵画のようだ。思わずほぅ、と息をつく。
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