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    かろん

    @ka_rongbf

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    主にパーエル。ネタの切れはしとか。勢いに任せたものとか。

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    かろん

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    パーエル。
    書きたいとこだけ、その2。
    怒られモートさん。

    ##パーエル

    薮蛇独特な刀身の剣が煌々と燃える炎を纏う。
    (あー、これは怒ってンな…)
    本人は押し殺しているつもりであろう怒りは、分かりやすく炎へと反映されていた。
    隣に並び相対する敵への注意は怠らないままエルモートは考えを巡らせる。
    かの炎帝の怒りの理由は多分おそらく己にある、と思われるのだが
    (…ドレだ)
    思い当たる節しか無くて困る。

    エルモート自身には何て事ない些細な行動が、パーシヴァルの逆鱗を掠めることは多々あって。
    正直なところ気をつけようがないとすら思っている。
    (俺にはどォでもいー事なんだがなァ)
    魔術師でありながら前線を好む質なのも、傷を負うのを厭わないことも、自分よりも仲間に生きて欲しいと思うことも…。

    前に一度団員を庇ってひどい怪我をした時に「後生だから」と泣きつかれてしまったので以前よりは気にしているつもりではいる。
    (つってもなァ)
    戦闘中など本能的に動いてしまう時などはどうしようもないと思う。
    余所事を考えながらも的確に敵への迎撃を行い数を減らしていると
    「…ローエンヴォルフ!」
    ゴオと勢いよくあがった火柱が残党を焼き、戦闘は終了した。

    とどめの炎擊を放ったパーシヴァルが得物を鞘に収めるのを横目で確認しつつそれとなく距離を詰め、戦闘の緊張を解くように息をつくのを見届けてから努めて何でもないように声をかける。
    「…なァ」
    「どうした?」
    こちらを向かずに言葉だけで応える騎士はまだなにか思うところがあるらしい。
    「なァに皺寄せてンだよ」
    つんつんと自らの眉間を指差して険しい顔を指摘する。まだるっこしいのは好きじゃない。何かがあるなら言って欲しい、改善するかは別として。
    「あぁ…」
    そこを押さえるように手甲を纏う手が顔を覆い、はぁ、と分かりやすく大きなため息をついた。
    小言の気配を察知しエルモートが少しだけ身構えていると
    「この間、駄犬に言われたことを思い出してしまってな…」
    「ン?」
    予想外の呼び名が出てきたことに思わず声が漏れてしまった。
    少し唸りながら言うパーシヴァルには気づかれなかった様で、そのままヴェインへの愚痴が続く。
    「…アイツはあれでいて腕が立つのがまた腹立たしいというか」
    (誉めてンだか貶してンだか…)
    とりあえず自分のせいでは無かったらしい事に安堵し、ぶつぶつと呟かれる話を聞き流す。

    「パーシヴァル、ヴェインの事で怒ってたの?」
    戦利品の確認を終えたグランが2人の会話に合流する。流石というか、いつもと違う仲間の様子にはしっかりと気がついていたらしい。
    「そォらしいぜ?俺はてっきり…」
    ついそう言ってしまってからエルモートははた、と言葉を飲みこんだ。
    「……てっきり?」
    今度はしっかりと聞こえていた様で普段より低くなった声がじとりとした眼光と共にエルモートを捉える。
    その眼光から逃げるようにじり、と後退りしようとするエルモートをグランが逃がさないとばかりに捕まえる。
    「なッ…!」
    「1回ぐらいちゃんと怒られた方が良いよ?」
    にこりと年相応の笑顔でグランが無邪気に笑う。
    しかし、目が笑っていない。
    「てっきり、何だ?エルモート?」
    「…な、何でもねェって!」
    「もう話したんだと思ってたよ」
    パーシヴァルとグランとに板挟みにされたエルモートは、少し離れた所で困ったようにこちらを見ていたアンナへと助けを求めたが
    「ご、ごめんなさい」
    「…ジゴージトクッテヤツダナ」
    アンナが隠れるように盾にしたカシマールがため息混じりに言い放ち、肩を竦める様な仕草をする。

    「観念するんだな」
    先ほどよりも怒りのこもった炎を揺らすパーシヴァルの説教は、エルモートの大きな耳が下がりきるまで続く事となった。
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    ナルマヨが好きなかほるさんには「さよならの前に覚えておきたい」で始まり、「ほら、朝が来たよ」で終わる物語を書いて欲しいです。できれば7ツイート(980字)以上でお願いします。
    #書き出しと終わり #shindanmaker
    https://shindanmaker.com/801664
    サヨナラの前に覚えておきたいことがあった。キミと過ごした時間と、その思い出。そして、その肌の温もりと匂い。ぼくはもう、誰かをこんなに愛することなんてないと思っていたから、心に刻みつけておきたかったんだ。でも、「お別れの前に、最後の『ふれあい』を……」なんてお願いするのは、男としてどうかと思ったし、実際そんな余裕もなかった。みぬきを養子として迎える手続きに、自分の弁護士資格の手続き。マスコミ対策も苦労した。
     あの頃、真宵ちゃんは何度かぼくに連絡をくれていてた。でも、タイミングが合わず、折り返しを掛けることも忘れ、少し疎遠になっていた時期もあった。ちゃんとゆっくり話をできたのは、全ての手続きが終わった後だったように思う。真宵ちゃんは、泣けないぼくの代わりに泣いてくれた。だから、ぼくは真宵ちゃんに「あの日の真実」と、今は姿が見えない黒幕について、ありのままを話したんだ。
     これで全てが終わったと思った。ぼくは表舞台を離れ、地道にぼくの道を行く。真宵ちゃんは、家元として堂々と陽の当たる道を歩いていく。だから、ここでお別れだと……。でも、実際は想像していたものと全く正反対の反応だった。
    『よか 1359

    riza

    REHABILI【rizaのエメ光♀】
    「デートみたい?デートだよ?」
    #この台詞から妄想するなら #shindanmaker
    https://t.co/hckXrMQeba
    これは開き直ったエメトセルク

    いつものミコッテ♀ヒカセンだよ
    ※謎時系列イマジナリーラザハンにいる
    ※実際のラザハン風は多分違うと思う

     まだ土地勘のないラザハンで、ほとんど拉致されるように連れ込まれた店にはウルダハでもなかなかお目にかからないような服や宝飾品が並んでいた。
     彼が選んだ数着のドレスごと店員に任せられたかと思ったら試着ファッションショーの開催となり、頭に疑問符を浮かべたままサベネアンダンサー仕込みのターンを彼の前で決めること数度。
     そういえばこのひと皇帝やってたんだっけと思い出すような審美眼で二着が選ばれ、それぞれに合わせた靴とアクセサリーが選ばれる。繊細な金の鎖のネックレスを彼に手ずからつけてもらったところで我に返ると、既に会計が済んでいた。
     当然のような顔をして荷物を持ってエスコートしてくれるまま店を出たところで代金についてきけば、何故か呆れたように、プレゼントだと言われてしまった。
    「今日なんかの記念日とかだっけ……?」
     さすがに世間一般的に重要だとされるような、そういうものは忘れていない、はずだ。そう思いながらおそるおそる問いかける。
    「私にとっては、ある意味で毎日そうだがな。まあ、奢られっぱなしは気がひけるという 1255