Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    mion4213

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 9

    mion4213

    ☆quiet follow

    楽怒長編小説③
    男子高校生楽×社会人積怒
    今回は少しシリアスめです…
    そして、怒はまだ鬼の時の記憶が無いので、社会人として俺って言ってます(どうでも良い設定)

    #可楽
    #楽怒
    #積怒

    ここ3日ほど、東京は晴れ間が出てきていよいよ夏が始まるか?と思わせる良い天気だったが、そんな日本人の願いなど知る由もない空模様は、東京に無慈悲にまたどんよりとした雨雲を出す。
    だが、そんな状況も可楽にとっては好都合だ。
    久々に積怒に会える!やっと雨が降りよった!3日ぶりじゃが!でも少し前までほぼ毎日会えていたのが3日も空くなんて耐えられなかった!
    可楽はソワソワしながら制服に着替え、朝食を食べていた時、ピロンとスマホが鳴る。
    なんだ?と思い見てみると連絡は積怒からだった。
    『すまんが、体調が優れないので今日は行けない。』


    …とりあえず、可楽に今日は公園に行けないことだけメッセージで送ることができた。
    薄ぼんやりする視界の中、日々の夢による寝不足、過労、食欲不振によりいよいよ体がしんどくなってきた積怒はそのままベットに重い体を沈める。
    少しウトウトし始めた頃、ピンポーンとインターホンが鳴る音が聞こえた。
    宅配か?今は受け取り対応すら向かいたくない…居留守をしようと思った時
    ピンポンピンポンピンポンピンポン!!
    「!?なんだ!?」
    なぜこんなに連打してくる!?不審に思いながらもノソノソと起き上がり、覗き穴を見ると、そこには見知った男子高校生が立っていた
    「お!積怒!生きとるか?」
    「な…可楽?なぜ、ここに」
    「なぜって、積怒が住所を教えてくれたんじゃろ」
    「な、俺が!?」
    急いでメッセージアプリを見ると、そこには確かに可楽にここの住所を送っていた。

    時を少し遡り、積怒が最初のメッセージを送った直後

    『すまんが、体調が優れないので今日は行けない。』

    「なに?!?!」
    家中に響く声で可楽は叫んだ。
    積怒が体調不良?!すぐさまメッセージアプリに返信をする
    『家どこじゃ、看病にいく』
    『来なくていい、うつるから』
    『いやじゃ、積怒一人暮らしじゃろ、儂が行ったる』
    『来るな』
    『おしえないと、一人暮らしの男が家で倒れてる!って110番するぞ』
    …しばらく返信がない。通報というワードを見て考えているのだろうか。
    10分ほど経ったあと
    『新宿区〇〇…
    お!返信が来た!どうやら観念したようだ。恐らく、積怒の住所が送られてきた。
    可楽は積怒の住所に向かう道すがら、ドラッグストアでスポーツドリンク、ゼリーなど必要になりそうなものを片っ端からカゴに詰めて、急いで積怒の家に向かう。

    「…で、積怒が住所送ってくれたからここに来れたんじゃ」

    なんと…全く覚えていない。俺は、無意識に可楽を呼んでいたということか。自分が心の奥で可楽をもとめていたのではと考えてしまうと、羞恥で余計に頭に熱が上りそうだった。

    「色々買ってきたぞ!積怒、食欲は?」
    「いや、腹が減らなくて…何も食う気が起きない」
    「でも、何か腹に入れんと薬飲めないぞ?台所借りて良いか?おかゆ温めるから」
    「おいっちょ…!」
    可楽はそのまま有無を言わさず部屋の中に入っていく。可楽が…自分の部屋に…
    積怒は今色んな意味で会いたくなかった可楽が目の前に現れて自分の世話をしてくれようとしている状況に、目が回りそうなほど混乱していた。

    可楽を追い出す元気もない積怒は、そのままリビングのソファに毛布でくるまりながらジッとする。おでこには可楽に貼られた冷えピタが、必死に積怒の熱を吸い取っていた。

    「ほら積怒、おかゆがあったまったぞー。」
    「…ありがとう」
    「まあ、レトルト温めただけじゃがな!ともかくなにか腹に入れんと」
    確かに可楽の言う通りだ、何もたべないままでは体に栄養が行き渡らない。食欲はなくてもなにか口にしなければ…
    「ほい、積怒、あー」
    「…!?」

    不意に可楽がスプーンを持ちながら近づいてきた。可楽の顔が今までないくらいに近づいてきて、まるで夢に出てきた可楽にそっくりな鬼のように自分の身体を、、、好きにされてしまう。
    受け入れては行けない、そう思ったら無意識に全力でのけ反って可楽を避けてしまった。

    「…積怒大丈夫か?意識朦朧としてるみたいだし」
    「いや、すまん、すまん…」
    だめだ、目の前の可楽はあの夢の鬼とは関係ないはずなのに、どうしても姿は重なってしまうし、じぶんの可楽に対して抱き始めているこの感情が、そう【恋】であってはいけないと、全力で否定しなければいけないのに。抱きしめて欲しいなんて、その先をして欲しいなんて、相手は高校生だぞ、未成年だ。同性だぞ。だめなんだ。
    そう【恋】であったら、どんなに、辛く、間違いで、そうこれは、間違いだ。

    「…可楽、すまんが、帰ってくれ」
    「…は?こんな状態のお前残して帰れるか。仕事、そんなに辛いんか?」
    「違う、しごとじゃ」
    「じゃあなんじゃ、ただの疲労でここまでなるんか?」
    「からく、おまえに、会うのが、つ らい」
    「…は?」
    「ダメなんじゃ、お前に会うと、苦しくて敵わん。頼む、帰ってくれ…」
    「…積怒、儂のこと嫌いか?」
    言え、言うんだ。たとえそれが、本当は嘘だとしても

    「…ああ、嫌いじゃ」
    「…そうか」


    言ってしまった。積怒は気まずくなり下を向く。可楽の顔を見れない。
    「…そうか、じゃが、そんなのは知らん」
    頭から降ってきた言葉になんだと思い顔を上げると、強引に頬を掴まれ、可楽の唇がガツンと口にぶつかってきた。痛いと思い抗議の声を上げようと口を開いたら、ヌルっとしたものが入ってきた。それが可楽の舌だとわかるのに、熱で朦朧としている積怒には幾分か時間がかかってしまった。
    そのまま舌を絡めとられ、口の中を好き勝手に犯される。息もし辛くなりいよいよやばいと思い始めたとき、可楽の唇が離れ、2人の間には銀色の糸が繋がっていた。
    「な…ん、おまえ、いきなり、」
    「積怒、儂は積怒のことが好きじゃ。ずっと昔からじゃ。お前が儂のこと覚えていなくても、儂のこと嫌いでも関係ない。それだけは覚えておけ」
    「な…すき、?なにを からく」
    「今日はもう薬飲んで寝ておけ。儂は帰る。ゆっくりするんじゃぞ」

    可楽はそのままこちらを振り返らず、そのまま家を出てしまった。バタンと閉じた扉の音がいやに部屋に響き、自分の心臓の鼓動が耳のすぐ近くで鳴っているのではと錯覚するくらい大きく
    聞こえた。この鼓動が、驚きからくるものなのか、それとも…。
    可楽が、俺を好き?ずっと昔からってなんじゃ?可楽とはほんとについ最近会うようになって、まだ一月も経っていないのに…
    もしかして、可楽もあの夢のことを何か知っているのか?

    『積怒、ぜったい見つけてやるからの』


    「ぐぅっ…!うぅ…」
    今何か、思い出せそうになったが、突然の頭痛と眩暈に思考が鈍る。あともう少し、あと少しでなにか、重要ななにかを思い出せそうだというのに…!
    積怒はなんとか最後の力を振り絞ってベットにいき、ドサっとそのまま倒れるように眠りについた。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    😭😭😭😭💚❤💚❤💚❤👏👏❤❤❤
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works