バーテンやってる国広の店に来た二人のサラリーマン。二人にカクテルを振る舞いつつ、銀髪の男が気になった。じっと見ていると、どうやら酒に強くないようで、カクテル一杯で顔を赤らめてうつらうつらと舟をこいでいる。頼まれたカクテルは少しアルコールが強いものだったため、もしかして…と国広は邪推した。しばらくしてすべて飲む前に銀髪の彼は酔いつぶれてしまい眠ってしまった。それを確認したもう一人の男は「仕方ないから」と眠る彼を無理矢理立たせて連れて行こうとする。
「待て」
そこで国広は声を上げた。
「あんた、わざと飲ませたな」
「何を言ってるんだ」
「アルコールに弱いんだろ、なのに無理に飲ませて酔い潰して、何をしようとしてるんだ」
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