人数合わせのために合コンに来て欲しい、と友に誘われた三郎は、俺には雷蔵がいるからときっぱりと断った。
しかしこの恋人一筋の男を見て、その恋人はあっけらかんとこう言い放つ。
「困ってるんだろ?行ってあげなよ」
優しい雷蔵らしいといえばらしいのだが、少しは心配になったりしないのだろうかと三郎は落ち込む。俺のことどうでもいいのか、いや、むしろ信頼してるからこそ?
それに雷蔵に心配をかけたくないという思いとともに、自分だって興味のない女と飲むより雷蔵と一緒にいたかった。
でも雷蔵にこう言われてはと、少し拗ねて三郎は合コンへ向かったのだった。
ーーーのはずだったのに。
家に帰ってくると、やけに酒臭い。雷蔵、1人で飲んだのか?それか、一升瓶でも倒してこぼしたか。
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