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    シマヅ

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    シマヅ

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    ・日車術師ifです
    ・cpは無いと思います、仲良いだけ…

    わくわくパーティゲーム「なぁ日車! これ一緒にやろーよ!」
    「何だ虎杖」
    休憩室のソファで新聞を読んでいた日車に満面の笑みの虎杖が近寄る。手には数枚の白い紙とマスキングテープ、1本のペンが握られている。日車は一体何をするのか見当が付かなかった。

    「紙…?」
    小首を傾げて虎杖の手にある物を見つめて呟く。
    「そう! この前伏黒と釘崎とやったらすっげぇ楽しかったから一緒にやりたくて持ってきたんだ」

    「ちな、ナナミンも呼んである!」
    親指を立てて輝かしいほどの笑顔を見せる。
    すると、いつもと違って白いジャケットを身に付けていない、青いシャツ姿の七海が入ってくる。
    「虎杖君、何の用ですか」
    七海も暇だったのだろうか。
    「3人でNGワードゲームやろう!」
    「「NGワードゲーム…?」」
    息ぴったりに大人2人組が復唱する。高専内で大人、マトモだと皆口を揃える2人のポカンとする様子は傍から見るとかなり滑稽だった。

    「ルール教えんね、えぇと……」
    まとめるとこのようなルールだ。
    本人に見えないようにNGワードを決め、紙に書く。その紙をおでこに貼る等して本人以外には見えるようにする。会話の中で本人にNGワードを言わせれば勝ちというような感じだ。

    それぞれのワードは、七海が日車、日車が虎杖、虎杖が七海のを書くことになった。
    3角に座った3人がお互いのおでこに紙を貼り付け、ようやくゲームスタートだ。
    お互いの紙を見て2人の堅い顔も緩む。虎杖は言うまでも無く。
    「ナナミン、最近欲しいものとか無い?」
    「欲しいものですか? ……18年のマッカランですかね」
    虎杖君は何と言わせたいのか。
    「他には無いのか」
    「特に…」
    「うーーーん…」
    なかなか難しい。
    「虎杖こそ、今食べたい物は無いか」
    「丁度今3時くらいですし、何か甘いものとか食べたくありませんか?」
    「甘いもの食べたい!」
    「いい天気だしな、花見でもしたい気分だ」
    「あー! それいいじゃん!」
    「購買で何か買って校内の桜を見に行っても良いですね」
    「だったらやっぱり団子かな!」

    無言で日車と七海がグータッチをする。そしてニヤニヤと大人気ない笑みを浮かべて虎杖を見る。虎杖の頭の横に浮かんでいたクエスチョンマークがエクスクラメーションマークに変わる。
    「え、やられたの俺?!」
    虎杖が両手を頭の後ろに回して突っ伏す。額の紙がペラりとゆっくり机に降りる。
    「あぁ、まんまとやられたな」
    「くっそ〜、団子で合ってる?」
    そう言いながら紙を剥がして書いてある文字を読む。悔しそうな表情。
    「あーー、…負けたから団子奢らせるとか無いよね?!」
    「我々はそこまで大人気無くありませんよね? 日車さん」
    「そうだな、決着ついたら買いに行くか」
    「よっしゃ! 早く終わらせようぜ!」
    「ここはやっぱり年長者に奢って頂きたいですね、あなたから見れば私もまだまだちびっ子ですから」
    他の人にはこんな図々しいことを言わない。仲がいい故の距離感が少し嬉しかったりもする。

    七海と虎杖の目が合う。
    これからどうもっていくのか察したのだろうか。このゲームの防戦一方は不利だが、さっきの七海への質問は思いっきり空振ってしまった。聞き方を間違うと何を言わせたいかバレてしまうだろう。
    日車がそう考えているうちに2人の猛攻が始まる。

    「私よりも11歳も上ですもんね、そうだ、この間任務でご一緒していた補助監督の方も日車さんは理性的で、しっかりしていて助かるとおっしゃっていましたよ」
    「それなら俺も聞いたことある! 報告書が早くてありがたいって言ってたよ! あと、伊地知さんが五条先生に意地悪されてる時、間に入って助けてたよね」
    「伊地知くんはあの人に振り回されてばっかりですからね、実際困ってるそうですし、彼に代わって私からもお礼を」
    七海が軽く頭を下げる。
    「俺も! 日車いつもありがとうね!」
    虎杖は眩しいほどの笑みを日車に向ける。


    順当、日車は珍しく照れて耳まで真っ赤にしている。そして俯いたまま、蚊の鳴くような声でボソリとこぼした。

    「勘弁してくれ…」
    最早何を言わせようとしているのか考える余裕も生まれないほどの猛攻だった。


    「ナナミンすっげー! 優勝じゃん!!」
    「ふふふ、言いそうな言葉でしたもんね」
    顔を上げ、日車は目をまん丸にする。
    「俺は負けたのか」
    「ドンマイ!」
    虎杖にバシバシと背中を叩かれる。紙の文字を見ると『かんべんしてくれ』と書いてある。してやられた。
    「でも、補助監督の方が褒めてらしたのも、私が感謝を伝えたいのも事実ですからね」
    「俺も嘘言ってねーよ、本当だかんね!」
    また少し紅潮していく。そろそろ可哀想になってきた。またすっかり黙りこくってしまった。こうもなると口下手な年上の男がかなり可愛く見える。





    「では団子を買いに行きますか」
    「売り切れてないといいな」
    「運動場の奥の桜が1番綺麗だよ!」


    そうして3人は仲良く肩を並べ、購買へと楽しそうに歩いて行った。
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