喰種パロ侑日 喰種は皆、地獄へ行くのだ。
人間のかたちをしながら、人間を食べることでしか生き長らえない。食うに困ったら、親兄弟や恋人だって立派なごちそうだ。数年生きた赤子だって、しばらくすれば自分が周りの人間と全く違う生き物であると自覚し、輝きに満ちた人生など訪れるはずもないと、心底思い知らされる。
侑は賢い子供だったから、その線引きは上手だった。
物心ついた時からそばに居る双子の片割れが喰種だったのも幸運だったのだろう。一般的に、喰種は人間と同じ社会性を持ち合わせているのにも関わらず人間社会にとけ込めないと言われているが、侑は親に与えられる飯だって美味しく食べたし、一方で人間社会に溶け込むために人間の飯を美味しそうに食べるトレーニングだってしたから、人並みに学校にだって通った。
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