貴方のような、その花を。「……おーい、類。まだなのか?」
「あともうちょっとだよ!もう少しだけ待ってね」
背後で忙しなく鳴る機材の音に若干の恐怖を抱きながら、空を見上げる。
照りつける太陽が眩しくて手で隠しながら、ひっそりとため息をついた。
類に見せたいものがあるから会わないかと言われ、昼休みに約束したのが今朝の話。
手早くお昼を済ませ、見せたいものはと聞くと、類は手を引いて下駄箱に向かった。
ここからは下を向いてておくれ、と言われ、どうにか指定の場所には着いたものの、少しだけ待ってておくれ、と言われてから、この有様だ。
正直繰り返された実験の数々の影響で、学校内で機材の音がすると何がくるかとつい身構えてしまったり、びくびくしてしまうため、実験じゃないとしてもできたら早く見せたいものを見せてほしいと思ってしまう。
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