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    もふこ

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    もふこ

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    ほぼ兄貴と鳴がしゃべってるだけだけど
    後半保鳴です

    兄貴ってこんな感じだっけ…?となるので
    なんでも許せる方向けです

    #保鳴
    squealing

    保鳴をくっつけてくれる兄貴の話「例えば、明日世界が終わると考えてみてや。それでも告白せえへんの?」

     保科宗一郎は、そう言って鳴海のグラスを取り上げた。返せよ、という間もなく、口にクラッカーを押し込まれた。乾いた感触に、問答無用で口を塞がれる。それを辛うじて咀嚼しながら、鳴海は力の抜けたため息をついた。
    「するわけないだろ」
    「ええ~! なかなか手ごわいな。そりゃ、宗四郎も手を焼くわけやわ」
    「てめーに関係ねぇだろ」
     鳴海は宗一郎の手からグラスを取り返すと、ビールに口をつけた。ペースが速すぎる自覚はある。それでも、今この場を立ち回るには、アルコールが欠かせなかった。
    「なんでそんなに頑ななん? 宗四郎のこと嫌いじゃないやろ?」
    「はっ、嫌いだ、嫌い。大体ボクは細目とオカッパが気に入らない。あいつ、近づくなと言っているのにいつもうるさいんだ」
    「そりゃだって、宗四郎は鳴海クンのこと大好きやもん」
     宗一郎は当たり前の事のようにそう言って、自分の分のビールを綺麗に呑み干した。すでに二杯以上呑んでいるというのに、ひとつも顔色が変わらない。保科一族の天才は、アルコール耐性にも才能があるのだろうか。
    「お姉ちゃん、すんません。生二つちょーだい」
    「は? おい、ボクはまだ……」
    「え?」
     宗一郎は、まるで「なんか言うたか?」とでも言いたげに凄んだ。その態度につい乗せられて、鳴海は無理にグラスの残りを喉へ流し込む。苦いし、きつい。けれど、確かに負けるのは癪だ。
    「今どき一気呑みの強要なんてな……」
    「えー、一気ちゃうやろ。半分も残ってなかったし。ほんでなんやっけ、なんで宗四郎と付き合えへんの?」
     急激に押し寄せてきたアルコールが、鳴海の胃の中で血液を沸かせた。その熱が次第に、額へと上り始める。くそが。鳴海は舌を打ち、宗一郎を睨んだ。
    「なんでもなにも、あり得ないだろ。何を根拠にそんな話をしているんだ」
    「根拠ならあるで~。俺、これでもあいつの兄貴やからな」
     宗一郎はカラカラ笑うと、にっと口角を上げた。唇の下から覗く尖った歯が、確かにこの男は彼の兄なのだと知らしめてくる。
     鳴海は頬を引き攣らせ、前髪を整えるふりをした。どんな顔をすればいいのかわからない。
    「兄貴が弟の恋愛事情を心配するんは当たり前やろ」
    「嘘つけ。お前は他人の心配なんかするようなタマじゃないだろ」
     鳴海がにべもなくそう返すと、宗一郎は心外だという顔をした。まったく、白々しい。鳴海が舌を打つと、細い目が狐のような形になった。
    「あ、バレた?」やっぱり嘘ではないか。鳴海は再びため息をつく。
     この保科宗一郎という男は、苦手とまではいかないが、いけ好かない。仕事においてはずば抜けて優秀なので、評価こそしているけれど、普段の言動がまるで理解できない。端的に述べるなら、変人だ。
     しかし当の宗一郎は、相変わらずのマイペースでのんびりと話し始めた。
    「宗四郎さ、昔っから……まぁ俺に対しては嫌いってはっきり態度に出しとったんやけど、それ以外は『あれが好き』とか『これが駄目』とか、あんま言わへん子やってん」
    「ふうん」
    「ほら、分かるやろ? ま、それも俺のせいっちゅうか、そういうの知られたら俺に嫌がらせされるから言わんようにしとったんやろうけどな」
    「嫌な兄貴だな」
     鳴海が率直な感想を述べると、宗一郎は面白そうに眉を上げた。ふふん、と得意げにも聞こえる笑いを溢す。
    「そんな弟がやで。今年の東西師団会議で会うた時、俺に何言うたと思う?」
    「知らん。口を利いてもらえただけよかったじゃないか」
    「いやそうやねん。せやから、あいつと喋ったん三年ぶりとかやったんちゃうかな。一言だけな」
     あのおしゃべりの保科が、三年も。笑いそうになったが、鳴海は無反応を装った。
    「鳴海サンと何話しとったん、やってさ。久しぶりに声かけてきたと思ったら、これ。怖ない?」
     宗一郎はそう言うなり、またくつくつと笑った。そのうちに、注文した新しいビールがやってくる。鳴海は店員から二つのグラスを受け取ると、テーブルの真ん中に置いた。
    「おおきに。乾杯しよ」
    「何回目だよ」
    「わはは」
     顔色には出ないが、酔っているのかもしれない。宗一郎は笑いながらグラスを重ねると、ぐいと勢いをつけてビールを煽った。そうして、大げさに息を吐く。中年のサラリーマンみたいだ。
    「なぁ、あの弟が一丁前に俺に嫉妬してきよった。メッチャおもろい。あの時俺が鳴海クンと話したことなんて、もう思い出せへんくらいどうでもええやつやのに」
    「ガンドムの話だろ」
    「……ああー、せやったせやった」
     宗一郎は適当な返事をすると、またビールを煽った。あっという間にグラスの半分ほどが消える。呑むのが速すぎる。もう少し味わおうとかしないのか。
    「まぁとにかく、俺が君と私的な会話をしとったら気に入らんらしいわ。ほんで俺、こう見えて勘はええ方でな。すぐ気ぃついて、宗四郎揶揄ったろかな思たんやけど、これ以上嫌われたら終わりな気ぃして」
    「もうとっくに手遅れだと思うが」
    「ええっ? 酷いなぁ~。泣くで?」
     鳴海は目をそらし、ビールを一口含んだ。宗一郎のこの軽い喋り方に、いつも翻弄されてしまう。この男はどうにも、口から吐き出すすべての言葉が嘘くさくて、羽のように軽い。それがこの男なりの処世術だと言ってしまえば、それまでだが。
    「俺も人生で一回くらいは弟のためになんかしてやりたいんやわ」
    「今まで一度も何もしてやらなかったのか」
    「記憶に無いなぁ」
    「……ほんとに嫌な兄貴だな」
    「それ今日二回目」
     宗一郎はべっと長い舌を出すと、子供っぽく眉を跳ね上げた。こうして見ると、弟と顔の雰囲気こそよく似ているが、仕草は全然違う。宗四郎の方は少なくとも、もう少し可愛げがある。
    「なぁ、宗四郎のどこが好きなん」
    「別に好きじゃない」
    「ほんまに?」
     鳴海は、じっとりと背中に汗が浮かぶのを感じた。いよいよ酒が回ってきたらしい。妙に暑いし、頭がうまく働かない。
    「ああ見えて意外と可愛いところある、とか? まあ、あいつ性根は甘えたやし。生意気やけどな。顔はまあ……うちの家系って感じやな」
     うるさい、と言いかけたが、鳴海はぐっと飲み込んだ。なぜだか、不意に脳裡へ浮かんだ数日前の宗四郎の姿が、鳴海の悪態を封じ込めた。鳴海サン、僕の顔嫌いじゃないでしょ。調子に乗って、そう言われたことを思い出す。
     鳴海が黙っていると、突然宗一郎があぁ、と声を上げた。
    「宗四郎、俺の言葉に呪われてんのかも」
    「……は?」
     呪い、なんて単語が急に飛び出すとは思わなかった。鳴海は咄嗟に宗一郎の顔を見やったが、彼はふざけたことを言っているわけでは無いようだ。

    「昔な」宗一郎は、染み出すような声で語る。
    「宗四郎がまだ中学くらいの時、『兄貴は彼女作らんの?』って訊いてきたことがあって」
     鳴海は目の置き場に困り、グラスの中の液体を眺めた。小さな泡沫が、次々に液の中を泳いで昇ってゆく。そうして、黄金色に覆い被さった真っ白な泡の塊に呑まれて、消えた。
    「俺もまだ防衛隊入って二年かそこそこの頃やったから、尖っててな。『こんないつ誰に何があるかも分からん世界で、明日死ぬかもしれんのに、誰か一人と恋愛しようなんて無責任や』って答えたんよ」
    「意地が悪いな」
    「せやろ。子供に言うことちゃうかったんや。その頃の俺、だいぶ余裕無かったんやろなぁ」
     宗一郎は長い前髪を耳にかけると、残りのビールを呑み干した。その細長い喉がこくこくと動くのを、鳴海は珍しいものでも見るような気持ちで眺めていた。
     鳴海のグラスでは、まだ泡が上昇しては消え続けている。表面は汗をかいていて、テーブルに小さな水たまりを作っていた。
    「こんなん防衛隊員に向かって言うのはどうかと思うけどさ」
     グラスの壁面を伝った雫が、水たまりへと落ちる。
    「鳴海クン、ちょっとだけでええから、宗四郎のために生きたってぇや」

    「……はっ」
     辛うじて鳴海の口から出たのは、乾いた笑いだけだった。一体何を言い出すのだ。喉の奥で何かが蠢く。鳴海は目を閉じて、それをやり過ごそうとした。
    「うーん、分かるよ。いま鳴海クンが考えとること、分かるけどさ」
     宗一郎の声音が不意に優しくなったので、鳴海はまた喉の奥に違和感を覚えた。そっと目を開く。
     今日初めて、宗一郎の目がどこか遠いところを捉えるのを見た。まるで、鳴海を通して誰かの姿を見ようとでもしているかのようだ。
     さっきまでは捉えどころもなかった言葉の数々が、急激に質量を持ち始める。ばか、急にそんな空気を作るなよ。そう言いたかったが、鳴海はただ唇を噛む。
    「誰でも一緒やで。俺ら防衛隊員に限った話ちゃう。怪獣災害なんて、いつどこで、誰の身に起きるか分かれへん。一般の人らでも同じや」
    ——だからって。
     誰かの人生の一部を預かる約束など、できない。人を裏切ることほど恐ろしいことは、鳴海には他にないのだ。
     鳴海はきっと、戦いで死ななかったとしても、長くは生きられない。それは、識別怪獣兵器の適合者に選ばれた時から分かりきっていた話だ。それを今さら嘆かわしいとも思わない。
     代わりに、他人からいわゆる「普通の人生」を求められることも拒み続けてきた。鳴海は、人間らしく生きることなど望んでいない。

    「いつこの日常が終わるか分からんと思うと、何が起こってもええよう身構えたくもなるし、なんやバツが悪うて、閉じこもりたくなるよな。目ぇ覚めたら地獄、なんてこの世界ではようある話や」
     宗一郎はちらりと天井からぶら下がる暖かな電灯を見やった。切れ長な目に、仄かな光が宿る。
    「俺もずっとそうやった。せやから、せめて死ぬまで保科としての務めだけ果たそうと思って生きとった。でも、ある時気づいたんや。いつ終わるか分からんからって、いつでも終わりばっかり気にせんでええんやって」
    「…………」
    「どう足掻いたって人は死ぬ。どうせ終わりは来るんやから、まだどうなるか分からん先のこと考えて悲観的になるより、今見えとる目の前のもんを目一杯楽しんだ方が幸せやで」
     その瞬間、宗一郎が見たこともないような表情を浮かべているのを、鳴海は確かに見た。それは息をつく間に消えてしまったけれど、彼の見えづらい本心を如実に表していたように思えた。
    ——幸せ、か。
     そんなもの、この身に必要かどうかなんて、考えもしなかった。鳴海の眼裏に浮かぶのは、ほとんど記憶に残っていない両親の姿だ。顔さえ覚えていない。物心がついた時には、養護施設の——ガラクタにまみれた狭い箱庭の中にいた。
     そんな鳴海にも、家族から「幸せ」を望まれていた時代があったのだろうか?
    「この先何があったって、君は自分の貴重な平穏を犠牲になんかせんでええんやで」
     鳴海はまた、グラスの中の液体を見つめた。その視線を追うように、宗一郎も鳴海のグラスへと目を落とす。
    「国民を代表して言うとくわ。いつも頑張ってくれてありがとうな」






     有明の自宅へ帰ると、不思議なことに家の前に人影があった。鳴海は、ふわふわと熱っぽい頭を必死に回し、表情を引き締める。相手が誰かは、もう分かっていた。
    「鳴海隊長っ」
     案の定、聴き慣れたご機嫌そうな声が飛んでくる。ほとんど同時に、黒髪のシルエットも近づいてきた。その腕が無遠慮に伸びてきて、鳴海を抱き寄せる。
    「おい、離せ」
     突然拘束されたことに一応抗議はしてみるものの、無意味だとは分かっていた。保科宗四郎は、鳴海の背中を強く抱き締めながら、肩口に頬を寄せた。
     猫に懐かれ、頬擦りをされているような、なんともいえない気分だ。鳴海は舌を打ち、宗四郎の腕を掴む。
    「おい、勝手に上官の家に来るなよ」
    「明日非番やからええんです」
    「それはお前の都合だろ。……ていうか、暑苦しいな! 一回離れろ。鍵開けるから」
     そう言うと、宗四郎はやっと顔を上げた。いつにも増して甘えたがりの顔をしている。そんなに長い間待っていたのだろうか。そんな目で見られたら、追い返すこともできない。
     二人分の重さをなかば引きずるようにしながら、鳴海は玄関を開け、宗四郎を中へ放り込んだ。今さらこの男を家に上げることに、大した抵抗感はない。全く、都合よく絆されてしまったものだ。
     宗四郎は丁寧に靴を揃え、勝手知ったる手つきで部屋の灯りを点けた。浮かび上がるのは、いつもと変わらない狭い空間だ。それなのになぜか、普段よりも明るく感じられた。
    「呑んできたんですか?」
    「ああ」
    「誰と……?」
    「宗一郎と」
     嘘をつく必要はないだろう。鳴海はそう判断したが、あっさりその名が出たのが気に食わなかったらしく、宗四郎は血相を変えた。
     そんなに嫌いなのか。感心するような気持ちで観察する。まったく、兄と違って分かりやすい男だ。
    「安心しろよ。別に何もしてない」
    「そんなん分かっとる」
     宗四郎は、鳴海が玄関の鍵をかけた途端、胸ぐらを掴んで引き寄せた。がくん、とつんのめりそうになって、鳴海は慌てて足に力を込める。キスでもされるのかと思ったが、違った。
     宗四郎は何も言わない。いや、言いたいことは山ほどあるようだが、言葉を選んで逡巡しているようだった。
    「……お前、ボクになんか言うことないのか?」
     鳴海は宗四郎の双眸を交互に眺めながら、試すようにそう言った。物腰に似合わず好戦的な色をした瞳が、戸惑いがちに鳴海を写す。
    「なんか言うこと、って」
     宗四郎は眉根を寄せて、苛立ちを露わにする。兄貴になんか吹き込まれたんですか。とでも言いたげだ。
    「お前が言わないならボクが言うぞ」
    「え」
     今なら多分、言える。酒に言わされるわけではない。宗一郎に翻弄されて、混乱しているからだ。ほんの一瞬、息を呑む。唇を舐めて、息を吸った。
    「お前はボクが」
     そこまで言ったところで、再びバランスを崩された。また引っ張られたのだ。分かった瞬間に、問答無用で口を塞がれる。
    「好きです」
     数度のキスを繰り返したあと、宗四郎ははっきりとそう言った。
    「好きです。すいません……ほんまはアンタにこんなん言うたらあかんねんけど。どうしても、先言われたなくて」
    「……ふん」
     言わせたのは鳴海のはずなのに、いざ言葉で耳にすると、どうしようもなく羞恥が込み上げた。何をしてるんだ。何を言わせているんだ。男が男に好きなんて、それも、同じ防衛隊の人間同士でこんなことを言うなんて、どうかしている。
     しかし恥ずかしさと同時に、鳴海の胸の深い部分がふわりと温かくなった。長い間くすんだ灰色だった世界が、急激に色づいたかのようだ。
    「鳴海サンは?」
    「い、言わせる気かよ」
    「だって、僕が言わへんねやったら先に言うって言うてたやないですか」
    「お前が言ったんだからもういいだろ! この話は終わりだ」
     鳴海は顔を背けようとしたが、宗四郎は退路を断つように鳴海の両頬を手で包んだ。無理やりに視線を合わされて、心臓が跳ねる。
    「聞かせてください。せやないと、僕が一方的に片想いしてるってことになる。それやと、告白の続きを言われへん」
    「なん、なんだよ……お前ら、兄弟揃って」
    「今兄貴の話せんといて。僕だけを見て」
     どうしようもなくなり、鳴海は宗四郎の目を見つめた。彼の肌にじわりと朱が差していることで、いよいよ現実感が無くなる。どうしてそんな顔をしているんだ。
    「鳴海サン、僕のこと嫌いですか?」
    「はっ……? ちょっ、んん」
     鳴海が何か言おうとするたび、宗四郎は唇を塞いでくる。ああ、理不尽だ。どう足掻いたとしても、逃すつもりはないらしい。
    「ふふっ、ちゃんと言ってくれるまでキスすんで」
    「ふざけんっ、んむっ……!」
     完全に宗四郎のペースだ。もしかしたら今日は、保科の男に翻弄される日なのかもしれない。
     鳴海は宗四郎の肩を掴み、無理やり体を引き剥がすと、前髪を掻き上げた。戦闘時ほどでは無いけれど、視界が開ける。呼吸が乱れていたが、構わなかった。
    「ボクはそう簡単には死なんぞ」
     ありふれた言葉で想いを伝えることは、鳴海の矜持に反する。口車に乗せられて、この男の手の上で踊らされてなるものか。
    「お前が望むなら、ボクはお前のために生きてやる」
     それは、鳴海なりの精一杯の愛の告白だった。「だってお前は……ボクが好きなんだろ」噛み締めるように、呟く。それは、これまでの人生で口にしたどんな言葉よりも、重く鳴海にのしかかった。
    「は……ははっ……」
     宗四郎は、驚いたような、困惑したような、複雑な笑みを浮かべた。その瞳に、顔を真っ赤に染めた鳴海が写り込んでいる。自分のこんなに情けない姿を見る日が来ようとは。
    「嬉しいな。こんなに嬉しいもんなんや……」
     宗四郎の瞳が、湖面のように細やかに輝いた。ああ、そんな顔もできるんだな。鳴海はつい見惚れながら、髪をくしゃくしゃとかき崩す。
    「僕と付き合ってください。鳴海サン」
     その日初めて、鳴海には宗四郎の本心が見えたような気がした。長い間胸に閊えていたものへの答えは、宗四郎の中にあったのだ。



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