オレの可愛いメイドさん今日は玲明学園学園祭。アイドル育成校のため招待された者しか校内に立ち入ることは出来ないがそれでも学内は大賑わいだ。オレのクラスはお化け屋敷をやっておりこの残暑の残る暑い時期に学祭をやっているためか結構な賑わいを見せている。
そういえばおひいさんのクラスは何をやるか聞いていなかったけど交代してもらって自由時間だし行ってみるか…。そのままおひいさんのクラスに行ってみるとファンシーな雰囲気の教室に言葉を失った…。えっと看板には……メイド喫茶??
「おかえりなさいませご主人様……ってジュンくん!?」
「お、おひいさん!?」
「おひいさんのクラスってメイド喫茶なんすねぇ…なんで言ってくれなかったんすか?」
「は、恥ずかしいからに決まってるね!!」
「ふーん、似合ってますよぉメイド服」
「嬉しくないね!!」
「あ、オレ1名なんで中入れてください」
「は、入るのかね?」
「いや~おひいさんのメイド姿この目に焼き付けとかねぇと」
「からかってるよね…ジュンくん」
「からかってねぇっす」
おひいさんにじとーっとした目で見られたがでも、お客さんだからちゃんと接客するね!と言ってテーブルに案内してくれた。
メニュー表を見るとメニューの名前は案外普通だった。そこは学祭仕様らしい。
「おひいさん、オムライスひとつ」
「もう!ジュンくん!ぼくじゃなくても他にスタッフいるよね!」
「いやーおひいさんがいいんすもん」
「む……仕方ないね!ちょっと待っててね」
アイドル校なので女装しても割と様になる人ばかりなのだけどおひいさんは特に人気で色々なテーブルに呼ばれていた。それにちょっと嫉妬するオレ。おひいさんはオレのだし…一応付き合ってるし…オレの可愛いおひいさんが他のテーブルで他の男と楽しそうにしてるのは彼氏としてちょっとモヤモヤする。
「ジュンくんお待たせ!ぼくの特性オムライスだね!あとでチェキ一緒に撮ろうね♪萌え萌えきゅん♡」
メイド喫茶お決まりの決めゼリフを言うとおひいさんはオレのオムライスにケチャップで落書きをしてくれた。おひいさん曰く猫ちゃんらしい。おひいさんあんまり絵はうまくねぇけど、所作がいちいち綺麗だし可愛い。
「おひいさん…」
「なーにジュンくん」
「追加料金払うんであーんしてください」
「そんなメニューないね!?」
「じゃあ……」
オレは自分でオムライスを少しだけスプーンですくうとそのスプーンをおひいさんに持たせそれをぱくっと口に含むと舌なめずりしながらおひいさんを見つめた。
「これなら文句ないっすよね?」
「じゅ、ジュンくん!?」
「ご馳走様おひいさん」
「ど、どこでそんなの覚えてきたんだね!ぼくはそんな子に育てた覚えは無いね!!」
お母さんみたいな発言をしながら顔を真っ赤にして照れてるおひいさん。この人本当に純粋なんだよな…純粋すぎてオレはおひいさんが変な人に連れていかれたりしないかが心配です。
「そんなこと言って…顔真っ赤っすよぉ…」
「ジュンくんのバカ!」
「あ、そうだそのメイド服貰って来てくださいね」
「ジュンくんそういう趣味があったのかね?…」
「いや、ないですけどおひいさんがめちゃくちゃ似合ってるんで」
「複雑だね!!」
「ダメっすか?」
「し、仕方ないね……ジュンくんがそう言うなら…」
「ありがとうございます。さすがおひいさん」
おひいさんオレの頼み事は断れねぇんだよな…チョロすぎますって…オレ本気で心配になってきました。
「ジュンくん最後にチェキ撮ろうね」
「そうですね。ていうかチェキ撮るってしっかりしてんな…このメイド喫茶」
「はい、ジュンくんスマイルだね」
「はーい」
カシャっというシャッター音が鳴り撮影が終了すると再び席に戻って食事を続けた。オムライスを食べ終え会計をしようとするとおひいさんが来てくれた。
「今日は来てくれてありがと……ね…」
「あのおひいさん」
「なに?」
「今夜その服でオレだけのメイドになって貰えますか?」
「い、嫌だね!!でもジュンくんがどうしてもって言うならやってあげなくもないね」
顔真っ赤で言われても説得力ないっすよぉ……。
「ジュンくん…ぼく今から休憩だから一緒に回りたいね」
「はい、いいっすよぉ」
「ふふん♪デートだね」
嬉しそうにはしゃぐおひいさんとその後は学祭デートを満喫しました。
寮に帰ってメイド服に着替えたおひいさんとラブラブするのはまた別の話…
END