「穴、開いてないんだね」
「…あ」
「ピアス、似合いそうなのに」
「ピアスかぁ…昔開けたことあんだけどさぁ」
すぐ塞がっちまうんだよなぁ、その言葉にあぁ、と納得した。
イモータル、普通の人間に比べて再生能力が優れている人種である彼は傷を負ってもすぐに再生してしまう。それなら確かにピアスなど着けていられないだろう。
「着けてほしぃの」
「……店で見かけて、貴方に似合いそうだと思ったらつい」
確認してから買えばいいのにと言われればなにも返す言葉が無い。丁寧に包んで貰った包装を解いて手渡す。掲げたり光に当ててみたりと暫く眺めた後に綺麗じゃん、と好評の声を貰えた。
「これ、あんたの眼の色」
よかったなんて思っていた束の間、自分でもわかっていなかった選んだ理由を突きつけられる。
998