『あれっ おかしいな 俺はさっきまでポテト片手にミッチー達とのんびり船旅をしていたんじゃなかったっけ?』
…気がつくと俺は浜辺で倒れていた
瞬きをした
何も変わらなかった
石や漂流した珊瑚が落ちているだけの光景はうんともすんとも言わなかった
俺は浜辺で一人寝そべったまま、また目を閉じた
一人になるといつも心苦しくなる、悲しくなる…
…早くみんなに会いたい、一先ず この状況を何とかせねば
そう考えていると内に、なにかの気配を感じた
『あの、大丈夫ですか?』
俺は体を起こし、声のする方向へ目を移した
そこにはブロンドヘアで栗色の目をした女の子がいた
丸焼きにしたら美味しそうだった
『…』
『……』
『大丈夫』
『そうでしたか!よかったあ…』
『いきなりで申し訳ないけど、ここが何処だか分かる?俺、多分遭難しちゃったんだ』
『そ、遭難!?それは大変ですね…!
ああ、まず場所を変えませんか?話はそこで…』
『うん、助かるよ』
名も知らぬ彼女は俺よりかなり背が低く、物腰柔らかく優しい女性だった
(俺の身長が高いというのもあるけど…)
案内されるがままに彼女の家に入ればすぐに ヒノキがふわり、と香った
木造の家具が多いからだろうか、心安らぐ空間というのはこう呼ぶのだろうなと思った
彼女が『体は冷えていませんか?』と言い、柔らかな手で出してきたホットミルクを飲みながら話を聞いていたが どうやら此処は最近開拓された無人島らしい
ここ最近は移住してくる人数が急増して、そこらの村には負けないほどの活気に満ち溢れているらしい
…話が進み、ミッチーや佩からの連絡が入るまで 俺は少しの間ここに住ませてもらうことになった
何から何までありがとう、としか言えなかった
『銀嶺さん、お友達の行方が早く分かると良いですね』
『そうだな、無事でいるといいんだけど』
『きっと大丈夫ですよ!』
『…ところで、名前を聞くのを忘れてたな… 君の名前を教えてもらってもいいかな?』
『ああ、そうでしたね!私の名前はキャラメルです 銀嶺さん、よろしくお願いしますね!ワン』