大きな手ー夏祭り当日
俺は自室で、真希さんに着付けをされていた。手際よく着せられ、ものの数分で着替えは終わった。
「これで、いいな。」
「真希さん、ありがとうございます!」
「まぁこれくらいはな。」
「てか、釘崎は?てっきり釘崎に着付けされるかと思ってた。」
釘崎が「明日、あんたの部屋で着付けするから部屋にいなさい」というから、待っていた。しかし、釘崎は来ずに、代わりに真希さんが来た。
「あぁ、野薔薇なら祭りで合流するそうだ。」
「あ、そうなんすか。」
「着付けしてやると言ったんだが、その時までのお楽しみだそうだ。可愛いやつだよな。」
そういうと真希さんは微笑む。普段は釘崎が真希さんにべったりな感じだけど、この表情を見ると真希さんも釘崎を大切に思っているのが伝わる。
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