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    FineRisoluto

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    Fine Risolutoふぃーねりぞるーと。FF14用アカ。 FF14の自機小説を公開しています。
    pixivにもいます(こっちの名義は鳥羽直人)
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    !FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください!
    ★この小説について★
    FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
    大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
    フィーネ:作者の自機。アウラ・ゼラの女性。

    ある「元」光の戦士の6.02その12 ファノヴの里に滞在して数日。
     すっかり里中の装備を修理して回ったフィーネは、クリスタリウムへの帰路につく。
    「ありがとね」
    「また来いよな」
     ウィメが肩をばしばし叩いてくる。力加減して欲しい。
    「次はシャイメにも会ってやってくれ。きっと喜ぶ」
     シャイメは姉であり里の長であるアルメから受けた仕事でしばらく戻らないようだ。
    「はいよ」
     フィーネはしゅた、と片手を挙げて答える。そして手を振りながら歩き出し、前を向くとゆっくりと手を高く挙げて後ろのアルメとウィメに振ってみせた。
    「若木、あなた、それ彼の真似」
    「ん」
    「あら。無意識なのね。まったくあなたってヒトは……」
     フェオが小言を言い始める。フィーネはまた何かしたかと考えるが特に思い当たるところはない。
    「オオミツバチの巣、取って行こうか」
     オオミツバチの巣からは黄金蜂蜜が採れ、滞在中フェオが好んで食べていたハニークロワッサンの材料になる。
    「あら、その手には乗らないのだわ」
     ぷい、とフェオがそっぽを向いてしまう。
    「何が気にさわったのさ〜怒らないでよ〜」
     降参するフィーネの頭にフェオが腰をおろした。
    「気にしなくて良いのだわ。つくづくあなたってヒトは独り占めできないってことがよ〜くわかったから」
     ふーむ、とうなる若木の髪を、枝が編み始める。最近のお気に入りらしい。
    「だからね、今のうちにたくさん独り占めしておくのだわ」
     よくわからないが、怒っているわけではないようだ。
     髪がむずむずするなと思いながらも、フィーネはチョコボにまたがり里を後にする。

     ようやくジョッブ砦が見えてきた。
    「若木、早く早く」
     チョコボかばんいっぱいに詰めたオオミツバチの巣を眺めながら、フェオが急かす。持ってきた杖はかばんに収まりきらず、突き刺すようにして無理やり入れたので半分飛び出している。
     その手には乗らない……つまり黄金蜂蜜には釣られないと言ったフェオ=ウルだったが、結局は帰りに採りに寄らされた。そしてすぐにでも食べたいらしく、急がされている。
    「チョコボだって疲れるんだよ。砦で少し休もう」
    「クリスタリウムはすぐそこなのだわあなたのチョコボならへっちゃらよ」
    「んにゃ、これは疲れてるよ。さっきからちらちら見てくるし。休ませてあげないと。ね」
     フィーネがチョコボをなでると、クェ、とひと鳴きする。同意しているように見える。
    「もう少し、頑張って」
     声をかけながら走ってもらい、砦まで本当にあと少しというところでモンスターが飛び出してくる。植物のようなモンスター、ヤテベオだ。
    「でかくない」
     普通のサイズなら腰あたりまでの高さだが、現れたその姿は三倍はあろうかという巨体であった。
    「あら、私の『かわいい若木』が丸呑みにされてしまいそう」
     フェオは先ほどまでオオミツバチの巣を眺めていたが、今、その大きな瞳は目の前のモンスターに向いていた。
    「誰が呑まれるかい」
    「戦わないの」
     フェオが杖を指す。
    「逃げるッ」
     フィーネは手綱を引いてチョコボの向きを大きく変える。その瞬間、チョコボの身体が傾いた。
    「うわ」
    「ちょっと」
     フィーネがひらりと飛び降り、地面を一回転して受け身を取る。
    「ごめん、大丈夫」
    「私は平気よ」
     フェオはフィーネの角にしがみついていた。
    「やっぱり無理させていたかな」
     身が軽くなったチョコボは体勢を立て直し、離れた場所で止まってこちらを向いている。
    「若木」
    「痛い痛い」
     角を引っ張られて苦言を呈すが、そのまま頭を横に向けられる。
    「あ……」
     ヤテベオの蔓が眼前に迫っていた。
    「ひるがえりて来たれ、幾重にもその身を刻め」
     とっさの詠唱で魔法を行使、自身の速度を上げ回避。そして二節目の詠唱。
    「時よ、足を休め、選ばれし者にのみ恩恵を与えよ」
     ヤテベオの動きが緩慢になる。
    「あなた、武器はこれで良いの」
    「おっけーかんぺき」
     フェオが杖を投げ渡してくれる。出しやすくなっていたのが功を奏した。
    「地に閉ざされし、内腑にたぎる火よ人の罪を問え!」
     一度の詠唱で三度の発動、三連魔。ヤテベオが炎に包まれるが、倒しきれずに暴れ出す。
    「フェオ力貸してくれる」
    「あら、やーっと私を頼ることを覚えたのねどうしようかしら」
    「世界一かわいい私の『美しい枝』たすけて~」
     距離を取りながら、フィーネが猫なで声を出す。
    「ふぅんそこまでいうなら……しかたないのだわ」
     こんな時でも素直ではないが、フェオが赤い炎でできた拳を魔法で作り出す。火のルーンだ。
    「私の『かわいい若木』に手を出したことを反省するのだわ」
     叩きつけられた一撃が決定打になり、ヤテベオは崩れ落ちる。
    「ありがとう」
    「どういたしまして」
     ハイタッチを交わして、お互いに称え合う。
     フィーネがフェオの頭をなで回し、フェオは逃げてフィーネのしっぽをぺしぺしとたたいてまた逃げる。
    「おまたせ」
     側に寄ってきたチョコボのあごをなでて、フィーネは再びその背に乗る。
    「フェオちゃん行くよ」
    「はーい」
     フェオが脚の間に座ったのを見て、フィーネはチョコボの手綱を引く。
     今度こそ、砦でひとやすみだ。


    ~おまけ~
    フィーネの詠唱
     ある「元」光の戦士の6.02その8に引き続いて、ファイナルファンタジータクティクスに登場する詠唱から引用。
     今回は正しく詠唱している。

    時よ、足を休め、選ばれし者にのみ恩恵を与えよ
     時魔法スロウの詠唱。対象の行動を遅くする。
    ひるがえりて来たれ、幾重にもその身を刻め
     時魔法ヘイストの詠唱。対象の行動を速くする。
    地に閉ざされし、内腑にたぎる火よ人の罪を問え
     黒魔法ファイジャの詠唱。
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    DONE・FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください。
    ・FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
     大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。

    ・フィーネ=リゾルート
    「元」光の戦士。アウラ・ゼラの女性。クリスタリウム中心にノルヴラントに引きこもっている。ミーン工芸館で職人として働いている。
    ある「元」光の戦士の6.03その9「なぜクラフターをやるんだ、という人がいる」
     フィーネは斧を振り下ろす。脇には既に伐採を終えたパイン原木が山になっていた。
    「ええ」
     フェオはその山の上に腰掛けて両手で頬杖をついている。
    「なぜギャザるのかと問う人もいる」
    「そうなのね」
     静寂の中をアオサギ滝の水が流れ落ちる音が心地良い。二人はヤンサを訪れていた。
    「でもクラフターもギャザラーも目的のためにするわけじゃないんだ」
     木に斧が打ち込まれる音がリズミカルに静寂を切り裂いていく。
    「お仕事だからするんだと思っていたのだわ」
    「順番が逆なんだよ。クラフターもギャザラーも仕事ではあると思う。だけどそうじゃない。仕事だからするんじゃあないんだ。やりたいことをして、楽しくなって続けているうちにそれが仕事になっていくのが一番良いんだ」
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    DONE・FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください。
    ・FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
     大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。

    ・フィーネ=リゾルート
    「元」光の戦士。アウラ・ゼラの女性。クリスタリウム中心にノルヴラントに引きこもっている。ミーン工芸館で職人として働いている。
    ある「元」光の戦士の6.03その8「お前ら、会うたびに喧嘩するのなんとかならねえのかい?」
     フィーネの母の腕にできた傷の手当てをしながら、父親がため息をつく。
    「ため息のつき方が若木にそっくりなのだわ……!」
     フィーネに出された緑茶をすすっていたフェオが感激するその横で、フィーネもまたため息をつく。
    「似てないよ」
    「ほら、今、そっくりだったのだわ!」
     フェオは喜び、フィーネと父の間を飛び回る。
    「それにしてもお前、風の噂じゃあ聞いていたが腕が立つようになったんだなあ」
     父親の感嘆をよそに娘は淡々と答える。
    「母さんより腕っぷしが強い人のほうが少なかったよ?あ、でもアジムステップはもっと喧嘩っ早い人がいたなあ」
    「いやあ、それでも母さんに喧嘩で勝てるようになったなんてなあ。父さんなんだか涙腺にきたよ」
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