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    FineRisoluto

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    Fine Risolutoふぃーねりぞるーと。FF14用アカ。 FF14の自機小説を公開しています。
    pixivにもいます(こっちの名義は鳥羽直人)
    https://www.pixiv.net/users/22951329/novels
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    FineRisoluto

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    ・FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください。
    ・FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
     大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。

    ・フィーネ=リゾルート
    「元」光の戦士。アウラ・ゼラの女性。クリスタリウム中心にノルヴラントに引きこもっている。ミーン工芸館で職人として働いている。

    ある「元」光の戦士の6.03その12「なンだこの部品は?見たことない技術じゃねェか……」
     石の家の椅子の上でくつろぎながら、ネロは部品を組み立てたり分解したりを繰り返していた。この間分解した、「私が帰ってくるまでに絶対直しておいてよ!」とフィーネに言われたバイクの部品である。あれから何日も経過していたが、テーブルの上の部品の数々は大半がバラバラのままだった。
    「フィーネさん、すぐ帰るって言っていましたでっすよ。早く直さなくて良いのでっすか?」
     タタルがお茶を差し出しながら問いかける。
    「こンな面白いオモチャ目の前にしたら大人しくなンてしていられねぇよ!だいたい、あいつも不用心だぜ。珍しい乗り物をその辺に置いておくなンてよ。だから悪いのはあいつであって……」
    「あっ」
    「あン?」
     饒舌に話していたネロの背後をタタルが指さした。振り返ったネロの目の前にはフィーネが刀を構えており、居合術・彼岸花(峰打ち)の直撃を食らったのだった。

    「あー、いてぇ、まだいてぇよ……」
     居合術(峰打ち)の当たった脇腹をさすりながらネロは作業を進めていく。
    「dotの乗った居合術でございます」
     フィーネはもしゃもしゃとおにぎりをかじりながら、つま先でネロの腹をつつく。クガネから運んできた米俵の一つを石の家に寄付し、タタルに炊いて作ってもらったおにぎりだ。
    「いって、いてえつってンだろ馬鹿野郎!」
     怒声を上げたネロに、フィーネは左手に握った刀で鍔を鳴らして見せる。
    「誰が悪いんだ、誰が」
     そして次のおにぎりを食べ始める。タタルは具材を変えて、たくさんのおにぎりを作ってくれた。
    「こんなに怒る若木も珍しいわね」
     やけ食いをするフィーネの頭をなだめるようになでながらフェオは目を丸くしていた。
    「そりゃさあ、ミーン工芸館とワッツハンマー・ガレージのみんなが作ったバイクなのにさあ、こんなバラバラにされたら怒るよ」
    「チィ……」
     ネロは舌打ちしつつもバイクの組み立てを再開する。
    「あっ」
     フェオがフィーネから離れ、ネロの手元に飛んでいく。
    「なあにそれ。今ふところから出したわね?本当にこの乗り物の部品なのかしら?」
    「うん~?」
     訝しげな目をしながらフィーネも歩み寄る。口の中には三個目のおにぎりが詰まっていた。
    「いや、これは」
     しどろもどろになるネロの手から小さな機械を奪う。
    「これ……アレでしょ」
     フィーネが機械のツマミをかちりと音を鳴らしてスライドさせ、そしてネロの背中にくっつけた。
    「おい、やめろ!」
     びりびりびり。ネロの背中の部品から電流が流れ、ネロはしびれてその場に倒れた。
    「動体感知ジャマー……」
     やれやれとフィーネが首を振る。魔導兵器と戦った時にもらったことがある。動くと反応する機械である。もっとも、大半は爆発するものだったので電流どころではなかった。
     フィーネはしびれているネロを石の家の中にずるずる引っ張って行き、あとはタタルに任せる。そしてフィーネはリンクパールで通信を始めた。

    「やっぱり最初からシドに頼めば良かった」
     一晩経ち、フィーネは元通りになったバイクにまたがって銀泪湖の道を走っていた。
    今日の空は紫色、妖霧が発生している。そんな日でもクリスタルタワーは空高く伸びて輝いていた。
     昨日、結局シドに連絡して来てもらい、バイクを直してもらうついでにネロも引き取ってもらった。その際に散々、バイクの乗り方やら仕組みやら質問攻めにあったが怪しげな改造をしそうなネロに頼むより、シドに修理してもらったほうがよほど安心というものである。
    やはり仕事を頼むなら凄腕でも怪しげな機工師より、ガーロンド・アイアンワークスだ。ネロも一瞬、社員だった気がするが。
    「もうすぐクリスタリウムに帰れるのね。長かったようで、短かった気もするのだわ」
     フィーネの服の中に入っていたフェオ=ウルが顔を出す。
    「初めての原初世界の旅はどうだった?」
    「『かわいい若木』がとっても面白かったのよ。あなたはいつだって、あなただったのだわ」
    「うーん?私、いつもそんなに面白い……?」
     首をひねる若木に、枝は「とっても!」と返す。
    「お、もうついてるみたいだよ」
     フィーネの視線の先には銀泪湖に着陸した飛空艇がある。
    「あなたも人使いが荒いわよねえ」
    シドに帰る前に米俵を運んでもらっていた。その分、バイクについての質問攻めも増えたが致し方ない。この世界はギブアンドテイクで成り立っているのである。
    「次はいつ帰ってくるんだ?」
     シドから米俵を受け取る時にそう聞かれた。
    「わかんない。もしかしたらずっと帰ってこないかも」
     その答えにシドは笑っていた。
    「お前なら、そのうち冒険に顔を突っ込んで俺を頼ってくれるんじゃないかと思ってるぜ」
    「そのうちね」
     笑って返したフィーネ自身もなんとなく、シドの言葉通りになるような予感がした。
    シドにお礼を言って別れを告げ、小舟に乗ってシルクスの峡間に移動する。米とバイクの積み込みは聖コイナク財団の案内人に手伝ってもらった。
    そしてフィーネとフェオは共に第一世界に転移する。
    二つの世界をまたいだ移動を経て、二人が降り立ったのは水晶でできた青い部屋、クリスタリウムの星見の間だ。
    フィーネとフェオは顔を見合わせ、お互いの無事を確認し。二人同時に口を開いた。
    「「ただいま!」」

    ~おまけ~
    妖霧
     モードゥナ限定の天気。空が紫のような、ピンクのような色になる。ヌシのニンジャベタを釣るための条件の一つ。

    動体感知ジャマー
     ヒカセンにくっついて、効果時間終了時に動いていると爆発するデバフがつくギミック。
     ネロが持っていたものは感電で済んだが、本来は爆発して上空に打ち上げられた上にスタンする。
     バエサルの長城の二ボスやボズヤに登場するガブリエルが使用する。
     似たギミックに加速度爆弾がある。こっちは打ち上がらないしスタンもしないがとても痛い。
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    FineRisoluto

    DONE・FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください。
    ・FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
     大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。

    ・フィーネ=リゾルート
    「元」光の戦士。アウラ・ゼラの女性。クリスタリウム中心にノルヴラントに引きこもっている。ミーン工芸館で職人として働いている。
    ある「元」光の戦士の6.03その9「なぜクラフターをやるんだ、という人がいる」
     フィーネは斧を振り下ろす。脇には既に伐採を終えたパイン原木が山になっていた。
    「ええ」
     フェオはその山の上に腰掛けて両手で頬杖をついている。
    「なぜギャザるのかと問う人もいる」
    「そうなのね」
     静寂の中をアオサギ滝の水が流れ落ちる音が心地良い。二人はヤンサを訪れていた。
    「でもクラフターもギャザラーも目的のためにするわけじゃないんだ」
     木に斧が打ち込まれる音がリズミカルに静寂を切り裂いていく。
    「お仕事だからするんだと思っていたのだわ」
    「順番が逆なんだよ。クラフターもギャザラーも仕事ではあると思う。だけどそうじゃない。仕事だからするんじゃあないんだ。やりたいことをして、楽しくなって続けているうちにそれが仕事になっていくのが一番良いんだ」
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    FineRisoluto

    DONE・FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください。
    ・FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
     大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。

    ・フィーネ=リゾルート
    「元」光の戦士。アウラ・ゼラの女性。クリスタリウム中心にノルヴラントに引きこもっている。ミーン工芸館で職人として働いている。
    ある「元」光の戦士の6.03その8「お前ら、会うたびに喧嘩するのなんとかならねえのかい?」
     フィーネの母の腕にできた傷の手当てをしながら、父親がため息をつく。
    「ため息のつき方が若木にそっくりなのだわ……!」
     フィーネに出された緑茶をすすっていたフェオが感激するその横で、フィーネもまたため息をつく。
    「似てないよ」
    「ほら、今、そっくりだったのだわ!」
     フェオは喜び、フィーネと父の間を飛び回る。
    「それにしてもお前、風の噂じゃあ聞いていたが腕が立つようになったんだなあ」
     父親の感嘆をよそに娘は淡々と答える。
    「母さんより腕っぷしが強い人のほうが少なかったよ?あ、でもアジムステップはもっと喧嘩っ早い人がいたなあ」
    「いやあ、それでも母さんに喧嘩で勝てるようになったなんてなあ。父さんなんだか涙腺にきたよ」
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