麻人を抱えて歩いているとたまたま祟り屋に遭遇したのだが様子が違っていた。
「祓い屋、ちゃんと子供の面倒を見ているのか?」
「この通り」
俺の腕の中で麻人は紙パックのジュースをストローで吸っていた。これで2個目になるところだ。麻人は祟り屋に対しては敵意をむき出しにして隙あらば呪詛を掛けようとする。暁人にいたっては諦めの境地におり、「実害が出てなければ別にいいや」と爽やかな笑みを浮かべて放置を決め込んでいるし、俺も危害がなければ介入はしない。
「まあ、最近は暁人を怒らせて一週間悪夢生活送っていたが。あれはマジで食らいたくない、自分の中のトラウマというトラウマを刺激される」
「それはわかるぞ祓い屋」
祟り屋も麻人を誘拐したことがあり、それが暁人の逆鱗に触れた結果トラウマというトラウマを植え付けられたことがある。
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