居酒屋でのわちゃわちゃ 東京駅周辺で偶然見つけた創作料理の居酒屋は、完全個室で雰囲気もよかった。
テーブルに並ぶ日本料理を隣に座った細見が、目を輝かせて見つめている。メニューを眺めていた時、細見の瞳が天麩羅と刺身で止まっていたので、盛り合わせを注文したのだ。ちなみに大トロに真っ先に喰らいついたのは綿谷で、次は小室。最後の一切れに、お前は食いたいのかと細見に目線で尋ねられたので、食えよと笑顔で返しておいた。大分でも新鮮な魚はたくさん食える。次に開催された天麩羅争奪戦争は、細見が制した。
「そういえば、綿谷は今日どこに泊んの? 今から鹿島に帰るのは無理だろ」
地鶏の炭火焼を口に運びながら、横にいる綿谷に小室が尋ねる。小室も多田たちと同じように東京駅周辺で宿を取ったらしい。
2033