君が居ないパチリと一気に覚醒すると、荒い呼吸が出た。寝汗も凄くて思わず額を拭った。
酷い夢を見た。
声が出てしまった。声はか細くて震えそうだった。
「アスラン・・・」
聞く者のいないその部屋で、虚しく響いた。
月の幼年学校。そこで、二人で過ごす日々に疑問を持ったことはなかった。
当たり前のように、居たから。そこにいたから。傍にいたから。
「アスラン・・・キラ知らね?」
「まだ来てないのか?今日は別々に来たんだが・・・困ったな」
廊下でそんな声が聞こえて、キラはつい走り出していた。耳馴染のある声、懐かしい気持ちになって教室の扉を開けると飛びついていた。
「キラ??!」
「アスラン・・・」
突然の事にアスランが驚いたように振り返る。先ほどアスランに話しかけていたらしい男子が「熱愛発覚?!」と冷やかす。
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