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    たなかんぼ

    @tanny_unt
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    たなかんぼ

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    クリテメ短編集 🐑👁
    サークルに載せたぬるめ過去文※一部清書有

    #クリテメ
    critémé

    異端審問官の誘惑【誘惑に負けない!子羊くんシリーズ①】


    壁に手をつき尻をぐいと突き出して、内腿をそぞろ撫でる仕草で微笑み『"ここ"、使いますか?』と誘惑してくる、幼顔の審問官。
    連日の任務で疎かにしていた夜を思えば誘惑に乗るのは容易い。しかし、そんなふうに汚していい人ではない。大事に…大事にしたい。

    『やめてください』

    自分事ながら浅ましい下半身にぴしゃりと鞭を打つ。すると彼は面白くないといった表情で、口を尖らせる。その表情すら愛おしくて、全くおさまる様子のない己に呆れ果てた。



    【誘惑に負けない!子羊くんシリーズ②】


    たまには霊験あらたかな場所で禊を行いたいと言い、泉は危険な場所にあるからと護衛を強請られた時に気づけば良かったのだ。『ふたりきりですね』なんて囁く唇が、泉の成分のせいなのかやけに艶めいて見えた。

    薄布のみで覆われた白い肌が透けている。禊用の衣類はやたら薄く、滝から流れ落ちる水が小さな背中をちょろちょろと伝っていくところまで丸見えだ。
    やがて禊を終えると、泉に腰まで浸かっていた体を陸へと移動させた。『子羊くん、身体を拭きたいのですが…』と言いかけた彼の視線が、自分の下半身に向いた事に気づいた。『おやおや』なんてわざとらしい。

    陸から上がった彼の、不意に見てしまった…それ。
    しばらく頭から離れなそうだった。



    【誘惑に負けない!子羊くんシリーズ③】


    宿のベッドがひとつしかない。今夜はいよいよか、と覚悟を決めるも昼間の戦闘疲れか早々に寝入ってしまった彼の寝顔を見つめる。

    『期待してるんですか?しょうがないですねえ』と言って寝台の上に色気もへったくれもない寝巻きで転がっていたのはついさっきの事。少し目を離した隙にもう寝息が聞こえて、すっかり肩透かしを食らってしまった。

    『(この人、僕が手を出さないってわかってるからこんなに無防備なんだろうな…)』

    無意識に、射す月光に透けた銀髪へ手が伸びる。一度梳いてしまえばその柔らかさに触れていたくて、自分でも驚くぐらいに優しい手つきで梳いていた。

    ……この人の寝言に驚くまで。




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    kuriteme_tobe

    DONE折角だからイベント的な話をと思い、「お菓子をくれなきゃ悪戯しちゃう」を言わせたくて書いたはずなのに、🐏が👁️を大好きな話になってしまいました……。ふんわりED後みたいな世界ですが、息をするようにifです。ハロウィンは噛み砕いて違和感ないくらいに落とし込んだ(多分)他、細かいことを好き勝手に設定しています。付き合っている二人。
    Happy Halloween 年に何回か行われる、ストームヘイル周辺の魔物狩り。去年はあたたかい時期が長く、木の実や小動物の生育が例年より活発だった。お陰でそれを餌にする魔物たちが爆発的に増え、二週間強で終わるはずが二月近くかかる事態になっている。生態系のバランスが崩れれば、この地の種の存族も危ぶまれるし、旅人の命も脅かされかねない。夏の終わりより始まった討伐が完了した頃には、頬を撫でる風に冬の気配を感じるようになっていた。
     順調に事が進んだのなら、山の裾野まで広がる赤、黄、橙といった色が鮮やかに交じり合う様を、恋人と一緒に楽しみたかった。弁当を用意して山道を歩くのもいいだろう。忙しい人だ。料理をする姿はあまり想像つかないから、僕が準備したっていい。獣肉にスパイスと小麦粉をまぶして揚げ、溶いた鶏卵には調理料を混ぜて焼く。頑張って作った料理に、すらりとした指が絡んだフォークを彼が突き立て、僕の口へ運んでくれるのだ。想像すれば幸せなぬくもりで胸が満ちるが、今年は叶うことのない願望である。この地の冬は早い。風が冷たさを孕み始めれば、あっという間に凍える季節が到来する。二人の予定を合わせて自然を満喫するなど不可能に近い。下手をすれば、真っ白な世界に囚われて遭難しかねなかった。
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