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    komaki_etc

    波箱
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    北村Pの漣タケ狂い

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    漣タケ。初日の出の中でキスする話

    #漣タケ

    1月1日 正月っていつも晴天のイメージだ。雨の降る元旦を経験したことがない気がする。
     今年も、初日の出をベランダから見ていた。コートを着て、毛布をかぶって。白い息がゆっくりと宙を揺蕩う。
     隣に並んだアイツは、何故だかとても大人しい。いつもと同じ朝日じゃねーか、位は言いそうなものを。じんわりと広がってく空の黄色の中、アイツは鼻を赤くして黙っていた。
    「……キレイだな」
    「……ん」
     小さな声で呼びかけると、毛布が少し揺れた。寒さで喋りたくないのかもしれない。それとも、一年のはじまりの、どこか荘厳な光にあてられているのだろうか。
     祈りが届く気がして、はあ、と息を大きく吐いた。口の中が熱くなって、その熱さが外に出た途端白く変わって。白が消える頃、アイツの顔が正面にあった。俺のことをじっと見る瞳の色は、日の出の色とそっくりで、俺は息を吸うのを忘れて見入ってしまう。
    「チビ」
     アイツの頬はいつだって温かい。唇と唇が合わさって、地球が一回転する。やさしくやわらかい、どこか無骨で不器用な、一瞬のキスだけど、俺にとっては世界だった。
     太陽の全てが地平線を越え、街が目覚めていく。部屋に入ったらココアでも淹れよう。アイツも、はあ、と息を吐き、その白が消えていくのを見つめていた。
     毛布と毛布の狭間で、俺たちはこっそり手を繋いだ。ここから一年が始まっていく。どこまでも走り抜けていく一年が。
     みなが健やかでありますように。願いが叶いますように。祈りが届きますように。
     何気ない日常の中で、愛が、確かなものでありますように。
     指先がじんわりとあたたかく、俺たちはしばらく、黙って身を寄せ合っていた。
     どこまでも空の高い朝だった。
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    kurautu

    DONE一週間ドロライさんよりお題「クリスマス」お借りしました!
    雨とクリスマス 初めての恋にあたふたしてほしい
    雨は 冷たい雨が凍りついて、白く儚い雪へと変わる。そんなことは都合よく起きなかった。僕はコンビニの狭い屋根の下で、雑誌コーナーを背中に貼り付けながら落ちてくる雨を見上げていた。
     初めてのクリスマスだ。雨彦さんと僕がいわゆる恋人同士という関係になってから。だからといって浮かれるつもりなんてなかったけれど、なんとなく僕たちは今日の夜に会う約束をしたし、他の予定で上書きをする事もなかった。少しだけ先に仕事が終わった僕はこうして雨彦さんを待っている。寒空の下で。空いた手をポケットへと入れた。手袋は昨日着たコートのポケットの中で留守番をしている。
     傘を差して、街路樹に取り付けられたささやかなイルミネーションの下を通り過ぎていく人たちは、この日のために用意したのかもしれないコートやマフラーで着飾っていた。雨を避けている僕よりもずっと暖かそうに見えた。視線を僕の足元へと移すと、いつものスニーカーが目に映る。僕たちがこれから行こうとしているのは、雨彦さんお気に入りの和食屋さんだ。クリスマスらしくたまには洋食もいいかもしれない、なんて昨日までは考えていたけれど、冬の雨の冷たさの前には温かいうどんや熱々のおでんの方が魅力的に思えてしまったのだから仕方がない。
    1915