「全く寝れん」
天馬司は独りごちた。
横になるだけでも痛みを訴える腹。そのせいで何時間経っても寝ることができない。
自他共に認めるほど健康体であるのに、どうしてこんなに寝付けられないのか。カチカチと小気味よく2時を過ぎようとして音を立てる秒針を聞きながら、彼は夜な夜な考え込んでいた。
昨夜はいつもどおりショーの練習を終え、家に帰ってから勢いよく美味しいご飯を食べただけなのに。いや、そういえば謎に腹が減っていて、少しばかり食べすぎた気がする。それのせいなのか。
いつもはこの時間ぐっすり寝て、翌日隈を残して登校した類に苦言を呈しているが今日ばかりはそうと言えない。
「でもこれは不可抗力だ、あいつは自分から徹夜してるのに」
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