龍水→スタンリー「貴様の全てが欲しいぞ!!スタンリー・スナイダー!!!」
「ハハッ、俺ん全部を喰らおうってか。その気概は好きだぜ。俺はアンタん事気に入ってっけど、アンタん中じゃ、俺は数ある欲しいモンの中の一つかもしんねぇが、俺ん全部はゼノのモンだかんね。気ぃ付けねぇと、ゼノがアンタん事ガブリと頭っから喰っちまうぜ」
そっと煙草を持った指がこちらの唇に触れ、悪戯を仕掛けるような顔をしたスタンリーが思い切り顔面に煙を吹き掛けてくる。
「フゥーン!!ならば、貴様ら纏めて俺が喰らうまでだ!!覚悟していろ、スタンリー!!ゼノ!!」
「へぇ、やんじゃん。とんだモノ好きに好かれちまったもんだな。なぁ、ゼノ」
後ろで実験をしている筈のゼノに話を振るスタンリーは、何処か楽しそうに後ろを振り向く。つられてこちらを見るゼノは困った奴らだとでも言うように肩を竦める。
「向こう見ずな所は、若さ故の傲慢かな?何処か懐かしさを感じる位だ。ね、スタン?君の気概は買ってあげるよ、リュースイ。でも、もし僕の幼馴染みに何かあったら・・・、覚悟してね?」
にこやかに微笑まれてはいるものの、復興後鳴りを潜めていたこの男の隠し持った鋭いナイフの様な感情が見え隠れし、龍水は背筋にゾワリとするものを感じた。