苦い果実 今、とても後悔をしている。
鏡に映る自分を目の当たりにし、マァムはそう思わざるを得なかった。
祝賀会用のドレスは、レオナが用意いてくれると言っていたので、すっかり任せていたのだ。
祝賀会への出席はいいとして、自分では、ドレスコードに合った適切なドレスを用意できないと思っていたマァムは、レオナの申し出を快く受け、そして、まさに当日のこのときまで、任せっぱなしにしていた。
いや、その表現は適切ではなかった。
マァムが、レオナに仔細を訪ねようとしても、当日のお楽しみと言って、レオナがマァムのために、どんなドレスやアクセサリーを用意してくれているのか、教えてくれなかったのだ。
そして、数時間後に祝賀会が迫ったまさにこの日、マァムは、レオナに用意されたドレスに身を包み、鏡の前に立って驚愕した。
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