生存センサーの誤作動「繰り返し同じ夢を?」
「うん。しかもそのことに気づかないから、抜け出すまで大変だったよ」
スメールでの出来事を、雪山にあるアルベドの拠点で話していた。お供にしているのはアルベドが煮込んでくれたコンソメスープ。以前にも食したものだが、今日の味付けにはスメールのお土産として持ってきたスパイスをふりかけたため、優しい中にも少し尖ったような香りが鼻腔をくすぐっている。好みが分かれると思い試してもらうまで不安だったが、アルベドも気に入ってくれたようで、彼のスプーンが進むのも早かった。
アーカーシャ端末を身につけた後、スメールシティで繰り返した夢の話をすると、アルベドは興味深そうな面持ちで詳細を求めた。彼はよく、空の旅の話を聞きたがる。今日も多分に漏れず、続きを期待する視線を向けられていた。
2173