最後の夜叉像「先生、久しぶり! 元気にしてた?」
「旅人か。璃月に来るのは何百年ぶりだ? とりあえず、茶を淹れよう。うちに寄るといい」
無事に妹とテイワットを離れる算段になり、色んな星を廻って久し振りに空はテイワットに訪れていた。もう顔見知りのほとんどはこの世にいないと思っていたが、鍾離は変わらず璃月で凡人生活を続けているらしい。手紙を出すと、すぐに近況と共に返事をくれた。
璃月港で待ち合わせし、鍾離の邸宅へ向かう。街並みは記憶の中の璃月と、そう遜色ない。久し振りに鍾離の邸宅の外観を見たが、これまたあまり変わっていなかった。中へ通されると、共に旅をしていた記憶が蘇りむず痒くなるが、廊下や棚にある骨董品はだいぶ増えているように思った。
1913