厄日なこらさん【お持ち帰り】自分の方が年下だからローって呼んでくれと言われたので俺のこともロシナンテって呼び捨てにしてくれと言うと困ったように笑う。あだ名とかないのかと聞かれたのでドフィがふざけてつけたコラソンがあったなと思い伝えるとコラソンってカッコいいなと返ってきた。
「コラさんって呼んでいいか?」
「もちろん!」
ローにコラさんと呼ばれるとどうでもいいあだ名が特別なもののように思えて擽ったい。
〜中略
腕時計を確認すると23時を回っていた。
気がつけば夜もすっかり更けていい時間になってきた。コラさんの住んでいるマリンフォードは乗り換えが必要だから今出ないと電車で帰れない。
本当は声を掛けるべきなのだろうがもう少し一緒に居たい。そっと時計が見えないように腕時計の文字盤を反対側に回した。
「…なぁ、コラさん電車無くなっちまったからオレの家に来ないか?コラさんさえ良ければだけど…」
ローの言葉に携帯のホーム画面で時間を確認すると23時20分。こんなに長い時間飲んでいたのも久しぶりだ。タクシーで帰るつもりだったから時間は気にしていなかったが、ローからのせっかくの申し出を断る理由もない。
「いいのか?今日会ったばかりの知らないおじさんだぞ?」と聞くともう何時間も一緒にいるんだから知らないおじさんじゃねえと返ってきて笑ってしまった。
ローの言葉に甘えてボトルを一本買い取って家へと歩いて向かう。少し距離があるからタクシーに乗るか?と聞かれたが歩いて10分ちょっとだと言うので、なら酔い覚ましに歩こうと言うとそれもそうだなと嬉しそうに笑う顔が可愛いくて年甲斐もなくときめいてしまう。
酔いで熱くなった頬を撫でる春の風が冷たくて気持ちいい。2人並んで歩くには狭い路地、酔いが回ってきたのか隣を歩いていたローが少しよろめいて、肩が触れた。思わず抱き止めるとローがこちらを見上げて目を丸くしていた。金色の瞳が瞬いてとても綺麗で目が離せない、呆けて薄く開いた唇に自分の唇を重ねたらどんな反応をするんだろうかと思っているとふふっとローが堪えきれないとばかりに笑い出す。腕に縋り付く手の力は確かに男の力で遠慮なく体重をかけてきた。
「大丈夫か?飲ませ過ぎたか??」
「ふはっ、こんなに飲んだのは初めてだ」
俺にもたれたまま楽しそうに笑うローが可愛い。これで26歳成人男性とは嘘ではないか。本当に仕草がいちいち可愛い。
大丈夫って笑いながら身体が離れていく、触れていた熱を冷たい風が拐っていって少し寂しく思っていると袖をクイっと引っ張って進んでいく。
「オレの家はあそこ。」
クスクス笑いながら引かれるままに部屋へと入っていった。
〜中略
「〜ッ、」
割れるような頭の痛みに少しずつ意識が覚醒していく。昨日は行きつけのバーで知り合ったコラさんと言う男性と飲み過ぎた。話しが合ったから酒もつい進んでしまった。重たい瞼を持ち上げるとそこには視界いっぱいに肌色が広がっている。
「へ?」
鍛え抜かれた胸筋から徐々に視線を上へと上げるとそこには昨日一緒に飲んでいたコラさんが眠っていた。
(…え?!なんでコラさん裸なんだ??)
慌てて自身を確認するが服を着ていて安心した。家に帰ってきてからの記憶を辿る。いつもより飲み過ぎて普段なら絶対しないような積極さでコラさんを家に招いたのは覚えている。
思えば、家に着いてすぐ喉が渇いたと水分補給と称してすぐに酒を開けたのが悪かった。歩いて酔いが回ったところに酒の上塗り。学生の時以来の具合の悪さで思わず戻しそうになったところをコラさんに介抱してもらったのだ。
少しコラさんの服が汚れてしまい、洗濯する為に脱がせたはいいが代わりに服を貸そうにも体格のいいコラさんに貸せる服はなく、上半身裸のコラさんが完成した。2人とも酔っていたせいもある。
「…すごい、筋肉だな。」
「おじさんも捨てたもんじゃないだろ??」
笑いながら触るか?と聞かれたので喜んで今日出会ってばかりの男性の筋肉を触りまくった自分。
身体を密着させて撫で回しながらしなだれかかる。思い出すとすごい痴女のようだ。思い出したくなかった。今だけは自分の記憶力の良さを恨んだ。
コラさんは擽ってぇと笑っていた気がする。危機感が足りない。
煙草を吸いにベランダに出たコラさんに灰皿代わりの空き缶を持っていくとちょうどマッチで火を点けるところでまた見惚れてしまった。視線に気づいたのかコラさんがこちらに視線を寄越して、紅茶色の瞳と目があって、吸い込まれてしまいそうだと目が離せなかった。綺麗な紅茶色が瞬いて段々近づいてきて気がつくと唇が重なっていた。
(この煙草はこんな味だったのか…)
少しほろ苦い味のキスを味わうように舌を伸ばせば長い舌に攫われてしまった。与えられる口づけを受け入れるだけで精一杯で腰が抜けてしまった記憶がある。そのままベッドに運ばれて飽きるまでキスをした。途中で暑くなってズボンを脱いだ記憶があるが別に身体を重ねたわけではない。
(…この唇が、ここと。)
ふにふにと自分の薄い唇を指先で撫でる。心なしかいつもよりふっくらと腫れている気がした。コラさんはプロポーズをしようとしていた彼女に振られたと言っていた。きっと男は恋愛対象じゃないだろう。
自分だって彼女がいたことはあるが彼氏がいたことはない。
(…コラさんは覚えているだろうか)
そう思いながら痛む頭を言い訳に目の前の広い胸に顔を埋める。煙草と汗の混ざったコラソンの匂いを胸いっぱいに吸い込むと何故か二日酔いにも効いてきた気がするから不思議だ。
「…ん、」
漏れた声に顔を上げると目が覚めたコラさんが不思議そうな顔でこっちを見ている。もしかしたら覚えていないのかもしれない。
「ロー、二日酔いとか大丈夫か??」
コラさんは寝起きはいいらしい。気遣うように頭を撫でられて恋人のような甘いやりとりに勘違いしてしまいそうになる。
「…頭がいたい」
「飲み過ぎだな」
まだ寝ぼけているのか頭が痛いと甘えるように胸に顔を埋めてくるローの仕草が可愛いくて、思わず顔がだらしなく綻んでしまう。目が覚めて1番に惚れた相手が腕の中にいるというのはこんなにも幸せなことなのかと40近くになって初めて感じた多幸感に胸が締め付けられそうだ。
昨日、いや日付が変わっていたから今日だろうかキスをしてしまったがこの青年は覚えているだろうか。
「昨日の記憶はあるか?」
「家に戻ってからの記憶がほとんどない…」
嘘をつく。本当は全部覚えているがコラさんが覚えていなかったら女々しく詰め寄りそうだ。
「俺もあんまり覚えてないんだよなァ」
忘れていると言うのだから思い出させない方が幸せなこともある。こんなおじさんにキスされて腰を抜かしたなんて不名誉もいいところだろう。せっかく出来た飲み友達を失ってしまうのは嫌だ。まだベッドから起き上がれそうにないローの様子をみて、起き上がる。
掛けていた毛布が捲れてローの生足が見えて思わず喉がなった。誤魔化すように毛布を掛け直して水を取りに台所に向かう。
昨夜介抱する時に冷蔵庫に水があるのは確認済みだ。ミネラルウォーターのペットボトルを持って戻るとローはベッドに凭れるように座っていた。余程具合が悪いのか浮かない顔をしている。
「ほら、」
「ん、ありがとう」
持ってきてもらった水を煽る。思ったより渇いていたのか半分飲み切ってしまった。口の端から溢れた水を指で拭われて思わず顔を上げてコラさんを見つめてしまった。
「ほら、勢いよく飲むから…」
水に彩られてぷるぷるになった唇が艶めかしい。再び湧き上がる不埒な欲をカーテンを開ける事で霧散させた。
〜中略
「こんなもんで悪いな」
朝飯と言うにはだいぶ遅く、殆ど昼飯の時間になってしまったが2人向かい合わせで手を合わせる。解凍したご飯にインスタント味噌汁と目玉焼きとサラダのみの簡単な朝食。
「いやいや、俺も急に来たというのに飯まで悪いな…」
朝飯兼昼飯を食べながら、話しをする。パンは嫌いだとか食の好みも合う。そんな些細な共通点が嬉しい。
酒が入っていなくても交わす会話が楽しくて仕方ない。
〜中略
連絡先を交換して別れる。
元カノの家を出る時すら感じたことのないもの寂しさ。次会える確約がないからだろうか。
貰った連絡先何度もメッセージ画面を開いてはなんと連絡したものかと頭を悩ませた。
その後コラさんちで飲むことになって、今日泊まって行けよ。服は俺の貸すからと言われてお店でパンツだけ買うんだけどコラさんの服が大きすぎて紐をひいても下が落ちてきちゃうので上だけ借りる生足のローさんがよみたいです。(※まだ付き合ってません)
飲んだらキスしちゃうキス魔って設定で迫るローさんも可愛い。多分すぐ付き合う
ペンギン、シャチ、ベポと飲み会の時に
可愛い子が指をペロッて舐めとる仕草すごいエロいですよねーってシャチあたりが言い出してなんでもない顔してるんだけど_φ(・_・
後日コラさんの前で実践するローさんもいる。