未定 集会の直前、三ツ谷が大きなあくびをしながら「おはよう、ドラケン」と龍宮寺に挨拶をした。
今の時刻は午後七時。
夏が近いとはいえ、まだ春の気配が抜けない五月の七時は暗くなってから久しく、多くの人はこれから寝る準備を迎えるだろう。龍宮寺達のような不良集団は朝よりも夜の方がもちろん元気だが、三ツ谷は不良集団にいる割には真面目な生活態度で、中学校にも無欠席に近いレベルできちんと登校している。龍宮寺と佐野とは大違いだ。
そんな三ツ谷が学校をサボって昼寝をして今起きた、というわけではないだろうから、龍宮寺は首を傾げた。
「こんな時間におはようとか言うの、うちの店のヤツらぐらいだけど」
「あー……さっき仮眠して、起きたところだったから」
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