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    @maayaMochiMota

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    オーカイWebオンリおめでとうございます!

    綺麗な教会があるため結婚事業で盛り上がっているとある中央の街から、結婚式の最中に教会の中で雨が降る異変があるのだと依頼が来る。異変解決のため、カインが新郎姿で結婚式をとり行うことになり――。
    花森衣装をもう一回着て欲しかった話です。
    ※オーエン魔女化があります

    #オーカイ

    雨のち晴れのち結婚※くっついてない多分これからの二人。
    ※勝手に作った街がある。
    ※まほやく世界の結婚式とか、その他にも色々とイベストとか調べようと思ったけど時間がなかったので、記憶と雰囲気で書いてます。間違っていたらすいません。


    ◯ ◎ ◯ ◎ ◯


    「新郎新婦の、入場です」

    高らかに上げられた声に、教会入り口の扉が開け放たれる。
    現れたのは花をあしらった白いタキシード姿の赤髪の男性と、真っ白な肌に映える純白のドレス姿の女性。
    女性の顔はベールに覆われていて、その下を見ることは叶わない。
    その二人は同時に足を踏み出し、赤い絨毯の上を歩く。
    天井一面を彩るステンドグラスからは色とりどりの光が降り注ぎ、真っ白な衣装というキャンパスの上に、色彩をのせる。
    赤髪の新郎――カインの胸中を騒がせる苦い顔をも覆い隠して。


    ◯ ◎ ◯ ◎ ◯


    「結婚式に降る雨?」

    カインの声に、真剣な面持ちをした賢者は深く頷いた。
    中央の国の魔法使いたちが集まる談話室。
    賢者がクックロビンから預けられたという依頼。
    その内容を聞いている最中だ。

    アーサーはふと思いついたように言葉を零す。
     
    「賢者様。それはもしかして、王都と栄光の街の間にある街からの依頼ですか?」
    「はい、そうです。よくわかりましたね」
    「ちょうど城の方でも話題になっていたんです」

    アーサーの言葉で、その街についてピンと来たカインは手を叩いた。

    「結婚の街での異変ってことか?」
    「結婚の街?」

    リケが首を傾ける。
    中央の魔法使いとはいえ、リケは中央の地図には詳しくない。
    おそらく同じく詳しくないオズにも向けて、カインは結婚の街について説明をする。

    「凄くきれいな教会がある街なんだよ。その教会で結婚式を挙げたいって二人が他の街からもやってくるくらいで、結婚事業で盛り上がってる街なんだ。天井一面のステンドグラスがすげえ綺麗なんだぜ」

    正式名称ではないのだが、結婚の街として名が知られている街だった。
    交易の中心でもある栄光の街と王都の間にあることもあり、元々往来が多い場所ではあったが、美しい教会ができてから結婚の誓いをたてる場所としても人気になったのだ。
    カインの友人のうち何人かも、その街で結婚の誓いを立てているためその教会に訪れたこともある。
    なにより、出身地と王都の間という立地もあり、街自体には何度も訪れていた。

    カインの街の説明から引き継ぎ、アーサーが知っている異変の話を続ける。

    「なんでも、教会の中で、新郎新婦の真上に大雨を降らせるらしい」
    「教会の中で? 雨漏りじゃなく?」

    カインはアーサーに聞き返した。
    外ならば判るが、室内と雨が結びつかずに首を傾ける。

    「ああ、外が晴れてても降る雨らしい」

    賢者が更に依頼内容から詳しく説明してくれる。
    なんでも、結婚の誓いのために新郎新婦で入場すると、その途中で雨が降ってくるようになったらしい。
    最初はただの雨漏りかと疑っていただけだったが、それが続き、街の大切な事業がままならなくなって困っているそうだ。

    賢者はカインの髪にチラチラと視線を送りながら、話を続ける。

    「それで、雨が降る新郎には共通点があるらしくてですね」

    その賢者の視線につられて、リケもカインの方を向く。
    眉根を寄せ、難しい顔をしているのは、依頼について真剣に向き合っているのだろう。

    「全ての結婚式で雨が降るわけではないのですか?」
    「はい。新郎が赤い色を持っている場合に降るそうです。特に、赤髪の新郎の場合は、こう、ドバっとバケツをひっくり返したような大雨に……」

    談話室にいる全員の視線が、カインに集まった。
    服装ならば赤を除けばいいだけだが、髪色や目の色では人間にとって変えるのは難しい。
    それに、生きている中でも大きな晴れ舞台だ。
    結婚の街にまで来て結婚をする愛が深い二人にとって、魔法使いに色を変えてもらえるとしても、本来の色で参加したいだろう。

    早く解決してあげたいと、カインはさっそく立ち上がった。

    「その異変を調査すればいいってことだな。教会の中ってことは、ステンドグラスから雨が降ってるってことだし、双子先生にも話を聞いてみた方がいいかもな」
    「ああ、今日はホワイト様なら魔法舎にいるはずだ。行ってみよう。オズ様、リケ」
    「ああ……」
    「はい!」

    中央の魔法使いは賛同しながら立ち上がり、異変の調査へと乗り出すことになった。


    ◯ ◎ ◯ ◎ ◯


    「すごい……とても綺麗です」
    「そうじゃろう、そうじゃろう」

    感動に目を輝かせて教会の天井を見上げるリケに、依頼へと同行してくれたホワイトが満面の笑みで大きく頷いた。

    魔法舎に残っていたホワイトに話を聞いてみたところ、なんと問題のステンドグラスは双子が作ったものだった。
    結婚の街には美味しいと評判のチュロス屋が代々続いているのだが、それをホワイトからスノウへプレゼントとして贈ったところ、大層評判が良かったためお礼として寄贈したらしい。
    大きすぎて弟子にも受け取り拒否されたという代物が、街の目玉になっているというのだから不思議な縁だ。

    自身の作成物が気になるというホワイトが、たまたま居合わせたオーエンを、チュロスを餌に連れ出した。
    結果、調査に赴いたのは中央の魔法使いとホワイト、オーエンというメンバになっている。
    賢者は東の魔法使いたちと別の依頼の方へ行ってしまった。
    ちなみに、双子の片割れであるスノウは、昨晩問題を起こしていたミスラとブラッドリーを引き連れて、南の魔法使いたちとの依頼に同行していて朝から不在である。

    天井を見上げ、ステンドグラスをにらみつけるように見つめていたオズが、重々しく口を開いた。

    「何らかの怨念が、この場に留まっているようだが……」
    「そうじゃの。だが、今は薄すぎてよくわからんのお……」

    連れ出されてイライラしているオーエンが、早く終わらせろと言わんばかりに腕を組んだ。

    「そのステンドグラスが原因だろ。さっさと壊して終わらせればいい」
    「キャー! オーエンちゃんひどーい!」

    ホワイトは言葉のわりには楽し気な様子で叫んでいる。
    その横で杖を取り出したオズに向かって、リケが声をかけた。

    「オズ。壊すだなんて野蛮ですよ。もっと困らせない解決方法を探すべきです」

    鋭い視線を投げかけているリケの肩に、アーサーが手を置いた。

    「オズ様はきっと、調査しようとしてくださったのだ。リケの言う通り、ステンドグラスはこの街のシンボルにもなっているかならな。壊れたら困る人も多い」
    「そうだぜ。依頼は結婚式をきちんとできるようにしてほしいって内容だったしな」

    教会の天井を壊してしまえば、依頼が達成できなくなってしまう。

    そのまま、オズが魔法を使ったりして調査をしてみたが、原因はつかめないままだった。
    難しい顔をしたアーサーが、カインを見つめて口を開く。

    「やはり、実際に結婚式をあげてみたほうがよさそうだな」
    「囮、ということだな」
    「ああ。こんなこともあるかもしれないと、前にクロエが作ってくれた衣装を持参している」

    そう言ってアーサーが魔法で取り出したのは、以前に熱の町での依頼時に着ていた晴れ着であった。
    赤髪が狙われるというのならば、最適なのはカインだろう。
    納得して衣装を受け取ったカインは、次に相手役を探すために視線を巡らせる。

    「それなら、花嫁も必要だよな」

    真っ先に目に留まったのは、小柄でもあるリケだ。
    しかし、その視線に気が付いたリケは、拒否するように片手を前に出した。

    「僕にはもっとふさわしい役割あります」

    首を傾ける面々の中、胸の前で腕を組み、厳かに言い放った。

    「人々を救いに導く神の使徒として、司祭としての役割です」

    それに賛同したのはアーサーだ。

    「確かに、結婚式には必要だな。ならば、相手役は私が魔女化して勤めよう」
    「ダメだ」

    せっかくの申し出を、即座に却下したのはオズだ。
    いつも以上に厳しい顔をして、アーサーを見下ろしている。
    その表情をカインは知っている気がした。
    娘を嫁に出すことを嫌がる、父親の顔だ。

    「なぜですか? オズ様。ふりをするだけなのですが」
    「ダメだ」

    本当に結婚をするわけでもないのに、オズは頑なだった。
    それに見切りをつけたのは師匠であるホワイトだ。

    「ダメじゃな。無理にすれば天井を壊しかねん……。残るは……」

    ホワイトの黒い両の目が映し出したのは、その正反対をもつ白い相手。
    それに気づいたオーエンは、忌ま忌ましそうに表情を歪めた。


    ◯ ◎ ◯ ◎ ◯


    「新郎新婦の、入場です」

    高らかに上げられたリケの声。
    その衣装はかつて聖ファウスト教会へ潜入した時に着ていた司祭のものだった。

    リケの声により、オズの魔法で教会の扉が開け放たれる。
    今回のオズは、魔法での演出役を担当していた。

    扉の奥に並ぶのは、熱の町で着ていた服を纏ったカインと、真っ白な肌に映える純白のドレス姿の女性。
    女性の顔はベールに覆われていて、その下を見ることは叶わないが、カインにとって好ましい表情ではないだろうことはわかる。

    その二人は同時に足を踏み出し、赤いじゅうたんの上を歩く。
    天井一面を彩るステンドグラスからは色とりどりの光が降り注ぎ、真っ白な衣装というキャンパスの上に、色彩をのせる。

    そんな二人に拍手を送るのは、招待客代わりのアーサーとホワイトだ。
    つまり残っている新婦役は、ベールの下にカインと同じ瞳を宿した女性――魔女化したオーエンだった。
    因縁の相手と結婚式はちょっと、とカインが難色を示したことと、ホワイトに言いくるめられたことにより、魔女化して結婚式に参加している。

    魔女化したオーエンを見たことはあったが、真っ白な肌に純白のドレスが良く似合っていた。
    カインが言葉を無くしていると、オーエンにニヤニヤ顔でからかいを受けたりしてひと悶着あったが、今は大人しくカインの隣を歩いてくれている。

    ゆっくりと歩を進める新郎新婦。
    異変が起こったのは、扉と司祭とのちょうど中間に差し掛かった時だった。

    「来たか!」

    ステンドグラスから降り注ぐ光が陰ったかと思うと、ドバっと、雨と言うのも生ぬるい量の水が、天井のステンドグラスからカインの頭上に降り注いだのだ。
    しかし、その水はカインにあたる前にオズの力によって左右へとわかれ、地面へたどり着く前にどこかへと消えていく。

    「……居た」

    カインの隣から聞こえた不機嫌そのものの声と同時に、視界の端にトランクがうつる。
    冷気が漂い、張りつめる空気。
    このままでは、原因ごと教会が壊されかねない緊迫感に、カインの身体はとっさに動いた。
    トランクを開けられてしまう前にオーエンをお姫様抱っこで抱き上げた。

    「……は?」

    気の抜けた声は放っておいて、カインは叫ぶ。

    「原因は!?」
    「あそこだ!」

    鋭いアーサーの声が水音の向こうから響く。
    指さす先は、教会の司祭が立つ後ろの壁、天井付近であった。
    そちらを見やれば、確かに黒い怨念のようなものが渦巻いているのが今ならわかる。

    「何するんだよ。下ろせよ」
    「近づいておかないと濡れるだろ」

    オズが守りの魔法をかけてくれたとき、オーエンは当然のごとく拒否したため、雨除けの魔法はカインにしかかかっていないのだ。

    「僕がこんな水ごときで濡れるわけないだろ。それに、騎士様が近くにいないほうが水も来ないんじゃないの」

    確かに、この水は明確に新郎役であるカインを狙っていた。
    しかし、新婦役であるオーエンにも向かっていない、とは言い切れない。

    「教会を壊されたら困るしな。行くぞ!」

    オーエンを抱きかかえたまま、カインは勢いよく赤い絨毯を蹴り飛び上がった。
    まっすぐと続く絨毯の道を駆け抜け、行儀が悪いが、司祭が使う机の上へと飛び乗る。
    そこにいたリケは、無事にアーサーの方へと避難しているから巻き込むものはいない。

    カインの意図を察したのか、オーエンは一つ溜め息を吐き出すと目前へと迫った怨念へと呪文を突き付けた。

    「≪クアーレ・モリト≫」

    軽く放たれた魔法の力により、渦巻いていた怨念は苦しむかのように女の叫び声をあげてクルクルと渦を巻く。
    そして、糸巻きから糸をほどくかのようにオーエンの方へと吸い込まれていき、オーエンがゴクンと喉を鳴らした時には跡形もなくなっていた。

    カインに降り注いでいた大雨はやみ、ステンドグラスからは晴れの空から柔らかな光が降り注ぐ。
    シンと静まり返った教会で、ホッと息を吐き出したのは誰の吐息か。

    「おわった、のか?」

    アーサーが呆然と落とした言葉。
    カインは乗っていた机から飛び降りると、抱えていたオーエンを静かに立たせる形で床へと下ろした。
    ステンドグラスを見上げていたホワイトが、人騒がせじゃなと肩を竦める。

    「どうやら、魔女の怨念が<大いなる厄災>の影響で膨れ上がっていたようじゃな」

    その魔女は何を恨みに思って石になった後にもこの教会に雨を降らしていたのか。
    結局のところはわからないまま終わってしまったが、依頼の解決は解決だった。
    この教会の中に、もう二度と雨が降ることはないだろう。

    カインは改めてオーエンに向き直ると、真摯に礼を告げる。

    「助かったよオーエン。オーエンなら近づけばなんとかできると思ったんだ」

    オーエンは負の感情から力を得ると聞いている。
    まさか魔法で丸めて食べてしまうとは思わなかったが、教会を巻き込むことなく静かに即座に解決してくれた。

    オーエンはカインの礼に対してつまらなさそうに鼻をならすと、指を鳴らして魔女化を解除し、服装もいつもの姿に戻ってしまう。
    似合っていたのに残念、と思った自分の心に驚きつつ、それを隠すかのように慌てて言葉を重ねた。

    「雨も、早めに降り出してくれて助かったな。誓いのキスまで降らなかったらどうしようかと思ったぜ」

    結婚式の最中に降る雨は、タイミングが定まってはいなかった。
    今回のように入場中に降る場合もあれば、式の半ばで降るときもある。
    魔法使いは約束ができない。
    結婚の誓いの言葉はスキップするしかないが、それでも降らなかったらキスをするしかないのかと事前に話していたのだ。

    「へえ、そんなに嫌だったんだ。僕とのキス」
    「嫌……というか、キスって大切なものだろ?」

    騎士が主君に捧げるキス。
    騎士が貴婦人に捧げるキス。

    結婚の誓いではなくても、キスは特別なものであった。
    カインは魔法使いであるから普通の結婚や恋愛は望めないかもしれないが、純粋にキスに対してあこがれもある。

    「ふうん……」

    ニヤッと笑ったオーエンに、嫌な予感を抱いた時にはもう遅かった。
    身長が同じくらいだからこそ、唇の位置も近い。
    迫ってきたその端正な顔に驚いている間に、柔らかな唇が唇に触れた。
    とっさに身を引こうとしたが、後ろに透明な壁があるかのように下がれない。
    その間にオーエンの片手が後頭部へと伸ばされ、更に引き寄せられた。

    「ん!?」

    カインの唇が僅かゆるんだ間に、ぬるりと温かなものが差し込まれる。
    舌だ。

    一体何事だと目を白黒させていると、オーエンの舌は我が物顔でカインの咥内を蹂躙していく。
    甘い。
    いっそなにも考えられなくて呆然としていると、その時間は唐突に終わった。

    「≪ヴォクスノク≫」

    呪文と共に魔力が解き放たれ、カインの目の前にいたオーエンが飛び壁へと激突した。
    その場に残されたのは、呆然としたカインだけ。

    はっと周囲を見渡してみれば、ホワイトはキャーと目を覆い隠しながらも指の隙間からこちらを見ており、リケの目をアーサーが、アーサーの目をオズが覆った状態でみんながこちらを向いていた。
    それでようやく正気に返り、カインは顔を真っ赤に染め上げて床に倒れているオーエンを見た。

    「オーエン!」

    そのオーエンはというと、口元をぬぐうと忌ま忌まし気に吐き捨てる。

    「最悪……」

    そして、興が冷めたかとでも言うように、その場から姿を消してしまった。
    あとに残されたのは、いたたまれなさだけが残ったカインだ。

    「……ファーストキス、だったんだが」

    教会の中で交わされた、誓いのキスというにはいささか情熱的すぎるそのキス。
    この結果がもたらすものがわかるのは、もう少し先のお話。

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    v_ran_tan

    MAIKING現パロのオーカイが温泉旅館でのんびりするお話。現パロなので因縁は消し飛んだしオエの情緒が育っている。半袖で過ごすには少しばかり寒くなってきた頃、俺はオーエンと温泉旅行に来ている。
    全国各所に人気の温泉街があるが、ここも有名な温泉街のひとつだ。
    テレビでたまたま温泉特集を見て、行きたい、と俺が何の気なしに放った一言が切っ掛けだ。じゃあ今週末、だなんてオーエンが言い出すものだから、慌てて止めたのが懐かしい。今月は買い物をし過ぎたから金欠だった。だが、それを伝えるとオーエンは自分が全額出すのだから関係ない、とばっさり。
    確かにオーエンは俺より6歳も歳上で、仕事もしていて、かなり稼いでいる。パソコンで仕事をしている、ということしか知らないけれど、見るからに高そうなマンションに住んでいるし、着ている物もブランド物ばかりだ。だからきっと、オーエンにとって2人分の旅費を出すことなんて痛くも痒くも無いのだろうけれど、それは俺が嫌だった。
    俺はまだ学生で、色々な面で限界はあるけれど、オーエンとはできるだけ対等でいたい。だから、オーエンに全て頼るのは、嫌だ。
    俺はオーエンのお金目当てで付き合っているわけではないから。2人で楽しむ為なら、自分もその分の出資をしたい。
    自分も出す、と言ったら、資金溜まるまで 4158