「どらるくのこと、すきなんだ」
内緒な。
すっかり赤くなった頬を机に預けながら人差し指を立てるロナルドに、カボチャとツチノコは顔を見合わせた。
彼が晩酌をするのは珍しいことではない。機嫌のいい日は事務所の帰りにコンビニに寄り道をして、一缶のビールとキャンディチーズ、それからカボチャとツチノコの好きなお菓子をそれぞれ一つずつ買ってくれる。柔らかくなる口調といつもより温かいてのひら、そして大抵ベッドまでたどり着けずに眠りにつく主人に擦り寄って眠ることができるこんな日を、二匹はとても気に入っていた。
カボチャとツチノコはロナルドのことが大好きだ。言葉にはしないが、ロナルドも二匹のことが大好きだと思う。しかし、ロナルドが先ほど言っていたドラルクに対する"好き"が、自分達が双方に向ける"好き"とは違う種類のものであることを、二匹はうっかり理解できてしまった。
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