相手の急所に触れなきゃ出られない部屋 「……誰が、何の為にこんなイデアを設計したんだ……」
書いてある言葉を読んだ後、深く重たいため息を吐きながらエメトセルクは眉間を押さえているが隣にいる私はエメトセルクの下半身のアレしか出てこなかった。急にこんな部屋に閉じ込められ急所に触れろと指定されたんだ、咄嗟にそう思ってしまう事ぐらいは許してほしい。
しかし触れろという指示しか出ていない、エメトセルクのソレにはもう何度か触れているし、抵抗感はあれど嫌ではない。行為を強いられているわけでもないし。
「わ、私がやるよ! 大丈夫、痛くしないし!」
「やめろ、絶対に加減出来ないだろうお前」
「そ、そそ、そんな事ないよ!? ちゃんと出来るもん! そういうエメトセルクは加減出来るの?」
いつもあんなに激しくして……思い出すだけで顔中の血液が沸き立ち熱くなっていく。歩けないほどではないけれど腰が痛くて、回数も多いから翌朝が大変な事が多い。別に嫌ではないしシテいる間は多幸感で満ち溢れている。
この幸せがずっと続けばいいのに、なんていつも思っていた。
「当たり前だろう?」
余裕そうな笑みが先日した時の事を思い出させた。エメトセルクに手を引かれ、近くにあったふかふかと柔らかいベッドに押し倒される。
ま、まさか……本当にやる気なのだろうかと冷や汗が背中を伝う。ベッドのサイドにある小さな丸いテーブルには一応それっぽい物がありはするが……。
しかもご丁寧にいつも使っているやつだ。偶然だと思いたい。
「お、押し倒す必要性は!?」
「転んでケガでもしたら危ないだろう」
「転ぶ!? 足腰が立たなくなるみたいな意味で!?」
まさかそんなに激しくするつもりなのかと息を呑んだ。
こんな、こんな部屋で、誰かが見ているかもしれないのに、と思う気持ちもあるがこれからの行為に期待する気持ちも同時に発生していて、大きく深呼吸をしてからエメトセルクの首に腕を回す。
「……あ、あんまり激しくしないでね……?」
せめて毛布か何かがあればそれを被って見え難いようには出来たのだが生憎かけられそうな毛布も布も無い。カーテンがあれば引きちぎって使っていたのに……。
ギュッと固く目を閉ざし、スルリと腹を撫でるエメトセルクの大きな手に下腹部が疼くのを感じた。しかしその手はソコには行かない。グッとみぞおち辺りを圧迫するように何度か押している。
流石にそれに違和感を感じていると、カチッと音がして扉のなかった部屋にスーッと現れる扉。そうだ、冷静になって考えてみれば急所は下半身だけではない。首やみぞおちだって急所になるじゃないかと今更ながらに気付いて顔が熱くなる。
身体を起こされ、出るぞとエメトセルクが短く言葉を放ち顔の熱を振り落とすかのように大きく頷いた。
「…………わ、わかってたさ! それぐらい!!」
「なんだ突然」
「あーびっくりした! 早く出よっか!!」
エメトセルクに勘づかれる前にグイグイと手を引っ張って出口の方へ向かった。扉を開ければ、そこはアーモロートの私かエメトセルクの部屋、もしくは議事堂のどこかか見知った場所だとばかり思っていたが、また同じような部屋が現れて壁に書いてある文字に目が眩んだ。
いかなければ出られない部屋。なんだって今日はこんな部屋に閉じ込められなければならないんだ。肩をガックリと落としてエメトセルクと同じぐらい深いため息を吐いた。