火恋し 呪術高専にも掃除の時間くらいはある。もっとも生徒と言えど、呪術師としての仕事をこなしつつなので、全員が毎日登校しているわけではないし、元々人数も少ないから全ての場所の掃除が行き届くわけではない。そもそも敷地がとんでもない広さなのだ。それでも各々割り当てられている場所をできる日だけでもするというのが暗黙のルールだった。
すっかり秋めいてきた夕暮れ、虎杖は苔むす石畳の参道の落ち葉を熊手で集めていた。一応、今週割り当てられている場所ではあるが、金曜日にして初めての掃除だったためか、思ったより落ち葉が集まった。元々人間が少ないし、学校だからゴミをその辺りに捨てるような輩はいないが、山中のため落ち葉を落とす木は至る所に生えている。
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