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    ma_mental_juju

    @ma_mental_juju

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    ma_mental_juju

    DONE五悠ワンドロより。
    S(少し)F(不思議)な話、かも知れないし、遠い過去の記憶かも知れない。暑い夏の話。
    サマーバケーション「あっちぃ」
     鬱陶しいほどの蝉の合唱。刺さるほど痛い陽の光。体中にまとわりつく湿気が不快で、五条は顔を顰めた。こんな日に外へなんて出るなんて正気の沙汰とは思えない。任務でなければ絶対に出るもんか。汗でべったりと貼りついたシャツの首元を持ってパタパタと動かしてみるも、暑い空気がほんの少しかき回されるだけで、いいことなんて一つもなかった。

     情報収集が主だったから、昼間の人通りが多い時間に動くしかなく、それなりに目立たないように服装もいつもより身軽にシャツとジーパンにスニーカーとサングラスで無難にまとめている。と言っても、身長と髪と目の色のせいで結局目立つので、たいした意味はない。

     今日はこれ以上の収穫は見込めないだろう。特級呪物の回収が今回の任務で、万が一封印が解けていたときのための保険という名の嫌がらせで五条に振られた。無理無理、今日は無理。伊地知に車を回させようとスマートフォンを尻ポケットから取り出すと画面は真っ暗でうんともすんとも反応しない。電池が切れている、なんて、最強にあるまじきミスである。
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