ドキドキしちゃう「こ、耕ちゃん…あのさ…」
横で背を向けて寝ている耕助に声をかけると、耕助は勢いよくおれを振り返って、なあにと言った。
「お客さんがやってたみたいにさ…はだかになって、ぎゅーってしようよ」
「ん?いいよぉ~!」
耕助はむくりと起き上がって、ばっと着物を脱いで素っ裸になった。おれはドキドキしながら、毛布の中で着ている着物を脱いだ。耕助はバタバタとおれの布団の中に入ってくる。
「へへ…ぎ、ぎゅーってしよ」
「う、うん…」
耕助のやわらかい肌がおれの身体にふれて、やわらかい髪が頬に当たって、思わずギュッと力を込めた瞬間に、耕助のやわらかい唇もほっぺたに触れた。
「俊ちゃん、あ、あっ、あったかいねぇ~!ぎゅーってすると、あ、あったかいね?」
「う、うん…あったかい…」
耕助はからだが何でできてるんだろうか。俺の身体はこんなにやわらかくない。耕助はもう全部が全部、やわらかいのでできてるみたいだ。
耕助がすりっとほっぺたに擦り寄ってきて、下半身もそのはずみで近くなった。俺はどきっとして、冷や汗が流れるような感じがした。耕助のあれが、俺のにくっついている。
「こ、耕ちゃん…」
おれはドキドキしながら耕助にあれを擦り付けてみた。耕助は固くなってないのかな。おれのは少しずつ固くなってる、耕助も同じじゃないのかな。
おれは息が荒くなってくるのが分かった。なぜか心がギュッとして、ドキドキして、耕助のことしか考えられなくて、少しだけ自分の股間をくっつけてズリズリと動かしてみた。
「俊ちゃん?」
耕助は不思議そうな顔でおれを見つめた。おれは急に焦って、気づかれたら嫌われるんじゃないかと思って、足を離してもっと耕助を抱きしめた。
「な、なんでもないよ、ま、またぎゅーってしような」
「うん、しようねぇ」
おれはどうしていいか分からなくて、耕助をずっと抱きしめた。あったかい耕助。もっとズリズリってしてみたい。でも嫌われちゃうのかな。耕助もして欲しかったりするのかな。聞こうと思って顔を離すと、耕助はもう眠っていた。
「耕ちゃん…こ、こんな…おれのこと、好き?」
耕ちゃんは眠っていて、答えなかった。